陽野さんは毒を飲んだつもりは無いをお題にSSを書いて下さい。
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存外呆気ないもので、思い返せばそれなりに大変なこともあったような気もするが、よき想い出だと笑えるくらいにはなった。悔いはないよ、と君の頬を伝う涙を拭って柔らかな髪を撫でる。そんな悲しい顔をしないで笑っておくれ。いつもは不確かな約束なんかしない主義なんだが、君には敢えてこう言おう。
陽野さんはさよなら、またいつか。をお題にSSを書いて下さい。
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小さい口だなといつも思う。それを目一杯開けて頬張って、幸せそうに緩む目が好きだ。美味しいと全部で表現するのが可愛い。その身体のどこに入るんだと毎度呆れつつも、嬉しそうな君が見たくてついあれもこれもと差し出してしまう。味なんて解らなかったはずなのに、君のおかげで食べるのが楽しいよ。
陽野へのお題は『いっぱい食べる君が好き』です。140文字SSを書いてみましょう。
#140文字でお題ったー #shindanmaker
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「あ」風に攫われて火が消える。しかも最後の一本だったマッチに舌打ちがこぼれた。そんなので吸うからだろとせせら笑えば乱暴に胸倉を掴まれた。触れ合う先端と微かに鼻を擽る自分とは違う煙草の匂い。知ってるよ何でその不味い煙草吸うのかもわざわざマッチ使うかもあの人を忘れられないからだって。
陽野へのお題は『シガレット・キス』です。140文字SSを書いてみましょう。
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しゅんしゅんとお湯の沸く音に急かされて仕方なくコタツを出る。年始から侘しいね……と思いながらも、湯気と共に立ち昇る匂いに唾を飲んだ。美味いものは脂肪と糖で出来てるって誰かも言ってた。不健康上等、背徳の味に勝るものはない。二分半ちょっと固めの麺を啜りながら束の間の幸せを噛み締める。
陽野へのお題は『夜更けのカップ麺』です。140文字SSを書いてみましょう。
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上手くやってりゃバレないとでも思った？ オニーサン甘いね……どっかでバレるもんだよ。アンタの所業に比べたら大したもんじゃないけどと引金を引く。仕留めるのは一発で充分だけど弾倉が空になるまで。どうかあの子の痛みがほんの少しでも伝わりますように。あ、これって燃えるゴミでいいんだっけ？
陽野へのお題は『ゴミはゴミ箱へ』です。140文字SSを書いてみましょう。
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楽しみにしてたんだ。寧ろこのために今日一日頑張ったと言っても過言じゃない。数量限定だから探し回ってやっと見つけて、さあお風呂上がったら食べよーとウキウキ鼻歌まで歌いながら戻ったリビングで、何でお前が俺の名前書いたアイス我が物顔で食ってんの！？超美味かったじゃねえ、歯ぁ食いしばれ。
陽野へのお題は『絶対許さない！』です。140文字SSを書いてみましょう。
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嘘吐きって怒られるだろうな、とくわえた煙草に火をつける。そんな日々が大切だったことを今さら噛み締めながら、鯉口を切った。また今度なんて約束するんじゃなかった。気紛れに土産なんて買うんじゃなかった。この仕事をしてりゃ『いつか』なんて『次』なんてどれほど不確かか知っているはずなのに。
陽野へのお題は『ずるい大人』です。140文字SSを書いてみましょう。
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だって約束したんだ。絶対生きて戻るって。途切れそうになる呼吸を懸命に紡ぎながら、ともすれば滑り落ちそうになる柄を握り直す。なあ、村のみんなが待ってるんだぜ。敵を倒して武勲を立てて、立派になった俺たちをみんなが。ざあざあと冷たい雨が隣りで虫の息の友を濡らす。諦めてたまるかってんだ。
貴方は陽野で『一緒に帰ろう』をお題にして140文字SSを書いてください。
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生クリームたっぷりのケーキに立てられた蝋燭、普段は並ばないご馳走、プレゼントと賑やかな歌と家族の笑顔。穏やかだった日々。平和だった時間。何も知らずにいられた幼い頃の記憶。今ではもう随分と遠くまで来てしまったなともう戻れない過去を噛み締めながら余りにも汚れてしまった手で銃を構える。
陽野へのお題は『今でも夢に見る』です。140文字SSを書いてみましょう。
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先延ばしにしたって仕方がないと解っていたはずなのに、あの時即答しなかったことを後悔している。貴方の優しさに甘えて、居心地のいい距離を保ったまま曖昧にしようとした私を詰るように、永遠に返事が出来なくなってしまった。ねえ、もしまだその言葉が有効ならば今度は私がそちらへ行った時にでも。
陽野へのお題は『いつでもいい』です。140文字SSを書いてみましょう。
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ぐるぐると洗濯機の中で翻弄されるシャツを眺める。生温い暖房、外は土砂降りで他の客はない。スマフォを眺めて溜息をこぼす。一仕事終えたばかりなのにもう次の依頼が来た。３Kの職場はいつも人手不足だ。ピーと出来上がりの合図。取り出したシャツは返り血が落ちてない。オキニだったのに参ったね。
陽野へのお題は『コインランドリー』です。140文字SSを書いてみましょう。
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煙草とか吸うんですね、と言えば彼は困ったような笑みを浮かべてみせた。喫煙所はどうにも吸った気がしなくてね、と紫煙を吐き出す。緩く投げかけられる午後の日差し、ぬるくなった缶コーヒー、色素の薄い冬空。寒いのに、全くだ、なんてくだらないやり取りが出来るのも、あと残すところ僅か一週間だ。
陽野へのお題は『屋上』です。140文字SSを書いてみましょう。
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ちょっと前から起きてたよ。だからお前が言ったことちゃんと聞こえてた。寝てると思って安心したろう？ だからそれが嘘じゃないって、お前の純粋な本音だって、今ここで断言してやる。こればっかりは譲れない。なあ、逃げないでいい加減ちゃんとこっち向いて話してくれよ。聞き間違いとか言うなよな。
陽野へのお題は『今のはなしで』です。140文字SSを書いてみましょう。
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何でもいい。何か一つあなたとお揃いのものが欲しかった。あなたのものだと言う証があれば、それだけで生きて行けるとすら思った。消毒薬とライターで炙った安全ピンと。ねえ、あなたは手づからつけた傷を私を貫いた感触を、決して蔑ろにしたりは出来ないでしょう？ 何でもいい。一つでいい。あなたを
陽野へのお題は『ピアス』です。140文字SSを書いてみましょう。
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どちらを選ぶべきなのだろう？ その選んだ答え如何によっては、己の、あるいは誰かの運命が百八十度変わってしまうーーそんな場面は人生で必ず一度はやって来る。背を向けて逃げ出したいのに退路はない。今、ここで。判断しろとせっつく何かに拳を握り締めた。ああ、いつも躊躇ないお前が羨ましいよ。
陽野へのお題は『分岐点』です。140文字SSを書いてみましょう。
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人間の記憶の一番深いところに残るのは『匂い』だと言ったのは誰だったか。別にそのせいと言う訳ではないけれど、今も同じ香水を嗅ぐ度にあなたを思い出す自分が嫌になる。決して全く同じではないのに、触れられた指先を抱き締められた温もりを私を見つめた眼差しを反芻する愚かしさを、どうか嗤って。
陽野へのお題は『香水』です。140文字SSを書いてみましょう。
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久し振りに三人で遠出しようか。少し早めに起きてランチボックスの準備をして、僕が運転するから海を見に。そう貴方があまりにも楽しそうに笑うから、頷くしかなかった。きらびやかな陽の光を、眩しく彩られた季節を、肌をなぞる風を、胸いっぱいに吸い込む汐の香りを、あの子は二度と味わえないのに。
陽野へのお題は『明日晴れたら』です。140文字SSを書いてみましょう。
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冷えてしなしなになったポテトと溶けてぬるくなったシェイクと。そろそろまた客足が増える時間なのだろう。先程から店員が幾度もこちらへ視線を投げて来る。形だけ広げていた課題のノートはミリも進んでいない。ニンゲンの生活観察は存外難しい。沈みかけた赤い西日が照らす席。薄闇に紛れて帰らねば。
陽野へのお題は『夕暮れのマクドナルド』です。140文字SSを書いてみましょう。
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誰でも恋人が手料理を振る舞ってくれたら嬉しいものだ。そのせいで両手を傷だらけにしていたら無茶しないでくれ、とは思うけれど。その晩何となく額が痛む気がした。次の日もまたその次の日も。いつからか瘤が出来て少しづつ大きくなっている。彼女の傷が増える度に。俺は一体何を食べているんだろう。
陽野へのお題は『手料理』です。140文字SSを書いてみましょう。
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やだよ変な顔してるから、と頑なに渋ったのも頷けるほど、学生時代の彼は今と真逆な雰囲気で神妙な面持ちをしていた。何でこう言うの写り悪くなるんだろう、免許証もだよ？ と笑っているけれど、ちょっと待て。ちょっと待ってくれ。名前は確かに君だけど、明らかに別人じゃないか。写真は女の子だぞ？
陽野へのお題は『卒業アルバム』です。140文字SSを書いてみましょう。
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もう二度と戻ることは出来ない、と言う意味では、きっと捨てた故郷にも似ている。美しい補正がかかるほどよかった思い出もない。早く過ぎ去れと痛いほど祈った見えない牢獄の息苦しさを、後悔しているかと問われれば後悔しかないと答えるだろう。だからせめても蓋をして、昨日の俺を殺しに行くのだ。
陽野へのお題は『青春』です。140文字SSを書いてみましょう。
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誰もいない空間に「ただいま」の声だけが虚しく響く。思えば、帰宅すれば部屋には灯りがついていて晩飯の匂いがして、君に「おかえり」と言ってもらえる幸せを当たり前のものだと思っていた。そんなものは容易く壊れる泡沫だと言うのに。写真立ての君は十年前と変わらない。もうこの世にはいないのに。
陽野へのお題は『おかえり』です。140文字SSを書いてみましょう。
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好きです、とチョコの箱を差し出すその頬が熱を帯びて僅かに赤い。ありったけの勇気を出してくれたんだろうなあ、と思いながらもこの歳の差はさすがに笑えなくて、ありがとうと受け取る以上のことは出来ない。嘘だとは言わないが一過性の可能性もなくはなく、五年経ったらまたおいで、なんて逃げ口上。
陽野へのお題は『ずるい大人』です。140文字SSを書いてみましょう。
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ん、と差し出された先端に己のくわえた煙草を近づけ、呼吸を合わせる。静かにちりちりと葉が消費され灰になって行く音。何で今時マッチなんだよ、と文句をこぼす権利はなく、舌先に滲む苦味を堪能した。これが最後なんてゴメンだな、とふざけた笑みを浮かべるものだから冗談じゃねえ、と銃を手にした。
陽野へのお題は『シガレット・キス』です。140文字SSを書いてみましょう。
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こう言うのって早い者勝ちよね？と笑うから、それで構わねえよと頷いておく。狩り手は複数、獲物は一人。その首にかけられた大金を思えば仲良く協力しようね、なんて話をして来る馬鹿はいない。あたしはこっちに行くわと踵を返す背中に向けて引き金を引いた。おっと、まずは頭数減らすのが常套だろう？
陽野へのお題は『恨みっこなしよ』です。140文字SSを書いてみましょう。
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領域を区切るものには全て意味がある、と言ったのは婆ちゃんだったろうか。注連縄然り、鳥居然り。ここはヒトの智と力の及ぶ場ではないのだと誇示するような。彼我を隔てる扉をくぐった途端、空気の違いに全身が総毛立つ。見られている。既に命を鷲掴みにされたような居心地の悪さ。けど、それが何だ。
陽野へのお題は『規制線』です。140文字SSを書いてみましょう。
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お前には『一生のお願い』が一体いくつあるんだと、いつもの無理難題を片付けながら思わず溜息をこぼす。頼られるのは悪い気分ではないし、そうして甘えて来られるのもせいぜいあと二、三年なものだろうけれど。それをいつか他の誰かに言うのだと考えるとあまりいい気はしない、と言うのは黙っておく。
陽野へのお題は『一生のお願い』です。140文字SSを書いてみましょう。
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やっぱりそっち買えばよかったかなあ……なんて未練たらしい顔で噛みつこうとした肉まんにじっと視線を寄越して来るものだから、舌打ちしてむしりとほこほこ湯気を立てる饅頭を割る。そっちも半分寄越せよ、と念押しすると、ふふふと含み笑いをしながら「いつも大きい方くれるもんね」と確信犯の笑み。
陽野へのお題は『肉まん半分こ』です。140文字SSを書いてみましょう。
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残念ですよ……と溜息と共にこぼれた言葉をそっくりそのまま返してやる。何でとかどうしてだとか、今さら訊こうとは思わない。俺とお前は敵同士で、己の意地を通すためには殺し合うしかない訳で、それで死ぬのも互いに納得の上だ。仲良くなれるかもと思ったなんて言わないが、ああ……ホントに残念だ。
陽野へのお題は『運命の人』です。140文字SSを書いてみましょう。
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お前に害を成す奴は絶対許さない、とにこやかに言う彼は今日も私を溺愛する。そんなことを言ったって腕っ節が強い訳ではなく、喧嘩をすれば十中八九負けるだろうに。そう言えば、この前課題を出さなかったＡ君を注意したら食ってかかられたけど、次の日から彼はずっと登校していない。まさか、ね……
陽野へのお題は『行方不明』です。140文字SSを書いてみましょう。
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穴を掘らなければ。地獄までそのまま通じてしまうほど深い穴を。いや、とっくの昔にもう地獄にいるか。足元に横たわる男の死体に頬を伝う汗を雑に拭う。顔も知らない親の借金なんて知らねえと揉めてる内に気づけば男は死んでいた。なあ、神様俺は何か悪いことをしましたか。せめてこれが見つからぬよう
陽野へのお題は『もっと深く』です。140文字SSを書いてみましょう。
#140文字でお題ったー #shindanmaker
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#一次創作 #さくごと
ガタンゴトン、と車輪がレールを食む音が規則的に響いて来る。午前二時発、いつもの通勤電車と同じ体で現れたこの便は行先が書いていなかった。薄暗い車内には僕しか乗っていない。時折ノイズ混じりの放送が入り、駅らしき場所に停まるが誰も乗って来ない。まあ、そうそういないか。黄泉路を辿る電車に乗りたい奴なんて。
陽野へのお題は『終電』です。140文字SSを書いてみましょう。
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降りますなあ、と土砂降りの空を見上げながら君が言う。めんどくさいと傘を持たない日に限ってこれだ。ずぶ濡れ覚悟で走って帰るか止むのを待つか。濃い土の匂いに混じって届く君のシャンプーの匂いに鼓動が早まる。珍しく当たった天気予報にほんの少しだけ感謝しながら……そっすね、と精一杯の返事。
陽野へのお題は『雨宿り』です。140文字SSを書いてみましょう。
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しゅわしゅわと弾ける泡を綺麗よね、と目を細めて眺めていたあなたを想い出す。カラフルなただの砂糖水にアイスクリームが溶けて行くのをまるで宝物みたいに見つめて。飾りのチェリーの缶詰だけを苦手なの、といつも俺に差し出した。久々に見つけたそれを気紛れに注文する。あの頃からカッコつけて飲んでいた珈琲ではなく。
陽野へのお題は『クリームソーダ』です。140文字SSを書いてみましょう。
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「ねえ、今度さどっか二人で遊びに行かない？」と言う台詞を人生で今まで断られたことがない。はずなのに、無敵街道爆進中の記録は本命の君に容易くへし折られた。懐疑的な眼差し、緊張で引き攣る頬。やだな、何もしないのに。じゃあ買い物は？と妥協すれば渋々それならと頷いてくれる。先は長いなあ…
陽野へのお題は『適切な距離感』です。140文字SSを書いてみましょう。
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こんな薄着で来るんじゃなかったなあ、と後悔し始めた頃、ばさりと乱暴にジャケットが投げられた。それでも着てろないよりマシだろ、とさっさと踵を返す背中に洗ってお返します！ と告げるのが精一杯で。一回り大きな温もりと煙草の匂いを抱き締める。季節が一周した今もまだそれを私は彼に返せていない。
陽野へのお題は『いつでもいい』です。140文字SSを書いてみましょう。
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お前はここを容易く越えてしまったんだな、と手にした刀を握り締める。冷たく滲む汗を何度も拭って、上がりそうになる呼吸を整える。道場の竹刀とは違う、斬れば斬られればどちらかの生が終わってしまう戦場特有のひりついた空気。大切なものを守るために鬼になれるか否か。その一線は存外高い位置だ。
陽野へのお題は『境界線』です。140文字SSを書いてみましょう。
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長い睫毛に縁取られた瞼が開くことはもう二度とない。その奥の柔らかな茶色の瞳が覗くことも、優しい笑顔が浮かぶことも。まるで眠っているようね、なんて馬鹿なことを言わないでくれ。こんなに血の気の失せた冷たい頬をしているのに。けれどせめて、そちらでは悪い夢を見ませんように。おやすみベイビー、また来世。君を傷つけたクソッタレ共は残らず片付けておくよ。
陽野へのお題は『おやすみ』です。140文字SSを書いてみましょう。
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