一つ何かが上手くなる度一つ何かを得る度、いつか追いかけていたあの背中に辿り着ける気がしていた。なあ、そろそろ隣で肩を並べられるだろうと面影に問えば、百年早いと笑われるようで。いつまで経っても敵う気がしない、けれど永遠に追いつけないままでいて欲しい、なんて告げはしないが。#SS #お題
    創作お題bot@理想幻論@asama_sousaku
    近づく度に遠退く背中


    むしゃりと音を立てて色鮮やかな翅を貪る。もがく足は要らない。甘い砂糖菓子のような味が口一杯に広がる夢想は呆気なく音を立てて崩れ、無様に転がる残った蟲のように惨めな気持ちになった。こんなもので空なんて飛べやしない。ああ、誰か連れ出してくれ。息の詰まりそうなこの世界から。
    #SS #お題
    妄想世界@手動お題@moso_propro
    蝶を食む


    もう誰も君のことなど、君が成したことなど覚えちゃいないんだろう。誰も訪れることはない森の中、ひっそり佇む君の寝床に花束を手向け、こびりついた苔を払う。人とは虚しいものだ。移ろう時の中であまりにも儚い。けれど死なない死ぬことの出来ない私だけは、いつまでも君を覚えていよう。#SS #お題
    お題bot@odai_bot00
    冷たい石に刻まれた名だけが君の存在証明


    窓を叩く雨粒がまだ薄暗い世界を支配している。遠く新聞配達のバイクの音。時計を見る気は起きない。気怠さに任せて、このまま全て水底で溶けてしまえばいいのに。伸ばした指先に触れたぬくもりは、出て行ったばかりの君の匂いがした。次はいつ逢えるか約束はしてないけど夕べの痕をなぞる。
    #SS #お題
    ぽつぽつ(お題bot)@potsuri200
    まどろみはぬるく


    これを一人でどうにかしろ、なんて気安く言ってくれる。随分俺も頼りにされたもんだ、と舌舐めずりと共に抜刀した。一寸前までこいつを背中に突き立ててやらんと狙っていたはずなのに、いつの間にやらあいつ側に数えられている。
    眼下の軍勢三千、期待だか試験だか応えてやろうじゃねえの。 #SS #お題
    創作お題bot@sousakuODAI
    恐怖よりもまず、笑みが零れた #創作 #お題


    僕はね、君を愛してるんだよ。世界中の何よりも、君が大切なんだよ。それが何度となく繰り返し紡がれたあなたの口癖。別に疑ったことなどないのに、それでは到底足りないのだと言うように、あなたは私の大事なものを跡形もなく壊した。これで君は一生僕を忘れないだろうと笑うあなたを私は、 #SS #お題
    止まった時計@お題bot@efimeral_bot
    あなたは確かに傷をくれた #お題


    久し振りに飲んだ酒は手向けの酒だった。実際盃を交わす前にあいつは死んでしまったから。もし席を共に囲むことがあれば、一体どんな話をしただろう?火照る身体を酔い覚ましがてら窓から乗り出せば、その瞳を思い出させるような黄金の月。
    なあ友よ、そっちで飲む酒の味はどうだぃ?#SS #お題
    創作お題bot@sousaku_odai_
    3-035.月、飲んだ、火照る


    つ、と重なる指先の温度を知りたいと願わない日はない。あなたがどこの誰なのか、何故私を訪ねてくれるのか、その理由すら私は知らないのだ。いつものように差し出してくれる花の匂いを、あなたと微睡む日のぬくもりを、この冷たい部屋では解らない全てを、共に味わうことが出来たなら。
    #SS #お題
    1番星にくちづけを(お題bot)@firststarxxx
    硝子越しの逢瀬


    これ何て読むの?と袖を引けば、日常会話で絶対使わない単語が返って来る。面白いの?と問えば、知らないことを知るのは楽しい、と言う君。趣味も価値観も嗜好も思考も違うのに、君の見ているものが知りたくて、君の感じているものを知りたくて、今日も私は楽しく無理難題とにらめっこ。 #SS #お題
    妄想お題bot@mousou_odai
    本当は、洋楽なんて興味ない。煙草だって苦手だしお酒だって強くない。読書なんてもっての他で、漫画以外を読むことなんて一生ないと思ってた。それでも、少しでも君に近づきたいから。今日も知らない人たちの奏でる音を聞いて、小難しい活字とにらめっこするんだ。 #妄想 #お題


    辛いなら辛いって言え。しんどいならしんどいって、苦しいなら苦しいって言えよ。俺には無理しなくていいってあれだけ言ったのに、お前はまた泣きそうな顔で平気だと笑うのか。助けてって手を伸ばせよ。そうしたら躊躇なくどこへだってお前を拐って逃げるのに。今日もまたその鎖を睨みつけ、 #SS #お題
    箱庭006@お題アイディアbot@taitorubot
    大丈夫、に腹が立つ


    かつて傾国を謳われたその美貌は最早見る影もない。それでも貴女はなお誰かの誘いに頷くことなく、帰るともしれない私をこの小屋で待ってくれていたのか。もう言葉を交わすことは出来ないけれど、その腕に抱く貴女の好きだった花は今も鮮やかに覚えている。その甘い匂いを嗅ぐ貴女の仕草も。 #SS #お題
    scaldお題bot@_scald_
    貴女と共に朽ちたあの芳しき花


    星に祈って叶う程度の願いなら、テメーで何とかしろと言う君は、そうやって分厚い壁をいくつも乗り越えぶち壊し、望みを掴んで来たんだろう。ただ祈るしか出来ない無力さや弱さとは無縁のままで。
    #君・星・願で文を作ると好みがわかる


    思えば俺は貴女の笑っている顔しか知らない。いつでもどんな時も、優しく朗らかに慈しみと愛情を持って向けられるその顔が、貴女の全てだと勘違いしていた。
    本当は俺の知らないところでどんな辛い目に哀しい想いに涙をこぼしていたか、あの日手を伸ばされるまで、想像すらしなかったんだ。 #SS #お題
    創作お題bot@sousaku_odaibot
    笑っているから平気だと思ったんだ
    スポンサードリンク


    この広告は一定期間更新がない場合に表示されます。
    コンテンツの更新が行われると非表示に戻ります。
    また、プレミアムユーザーになると常に非表示になります。