何故撃たなかったんだ、と絶望に膝を落としながら問えば、君は弾切れだったんだ偶然に、と呟いた。赦すなんて優しさとは無縁の憎しみの滲む双眸が、生きて地獄を見ろと断罪するようで、ああそれならいっそあんな過ちを犯すのではなかったと、今さらながら後悔を連れて来る。 #SS #お題
    無音(お題bot)@nothing_glass
    空に響いた空砲の残響


    消えないものじゃのう、と細い指が身体中に走る刀傷の痕をなぞる。死線を潜り抜けて来た誉れと言うよりは、未熟さの烙印のような罅割れのようなそれが、個人的には好きではないのだが。斬られるのは熱いのかと無邪気に問う眼差しに、そんなことは知らずともよいとごまかして煙管をくわえる。#SS #お題
    お題bot@烏合@bot_crowd
    鋼の冷たさを知っている


    君と過ごす日々をその温もりを、幸せと呼ぶのだと、私は初めて知った。
    #私君幸せを使って文章作れば性癖がわかる


    にゃあ、と言う鳴き声に狂暴な酩酊から醒めた。切っ先から滴る血が地面を穿つ。夜半の路地裏、月明かりも僅かなこの闇の中、酔っ払い一人屠ったところで、誰に咎められることもないはずだった。何故だろう。人語など話せぬその眼が、俺の罪を問うようで、あれを斬らねばと柄を握り締めた。 #SS #お題
    和風創作お題bot@wafuu_bot
    人斬りと猫


    あなたが好きだと言ったその色を買った。本当はそんなに好きじゃないのに。ほんの少しでも気に止めて欲しくて、目に止めて欲しくて。お揃いにしたいなんて我が儘を言うと、あなたは黙って手を貸してくれた。綺麗な形の爪なのに似合わない。どうせならいっそ私の好きな色に塗れたらいいのに。 #SS #お題
    悲しみとお題bot.@SadnessENDbot
    そのマニキュアをあなたの指に


    いつも隣にいることが当たり前だった。これからもその時間は変わらず続いていくのだと、信じて疑わなかった。死ぬほど喧嘩もしたし、楽しいもしんどいも等しく分け合って、まるで二人で一つみたいだった友よ。お前が夢のために往くなら、喜んで餞を送ろう。ここはいつまでも空けておくから。 #SS #お題
    むつ(お題bot)@drow_write_bot
    何回泣いて、何回笑って、何回の春を、夏を秋を冬を、何回の晴れ空を、雨空を、僕達は過ごしたのだろうか。/015


    君を守るためなら手段は問わない。君を守るためなら犠牲も問わない。その涙を拭うべく剣を手に取り、その憂いを払うべく盾となろう。例え誰が君を責めようと、例え何が君を疎もうと、僕だけは君の傍にいる。例え独りになっても、君の味方でいる。例え、例え君が世界を滅ぼす存在だとしても。 #SS #お題
    鈴後雨(お題配布bot)@apple8candy8
    人類の敵になったみたいだ


    素性を知ってどうするって言うの、とグラスを傾けながら君は冷ややかに嗤った。金曜22時、バーの奥まった席が定位置の逢瀬。本当の名前も普段何をしているのかも知らない、次の約束さえも不確かな関係。私は知らないままがいい、と紫煙を弄ぶその指を彩る光に嫉妬したとは言えないままで。 #SS #お題
    お題bot@odainobot
    私の知らない君と君の知らない私


    利用されていることくらい解っているだろう、と扉を潜りかけた背中に苛立った声を投げると、お前は気持ち半分だけこちらを振り向いて笑った。「僕の居場所はあの方の傍なので」地獄への供連れも叶わぬ、ただ使い捨てられいくらでも替えの利く安い駒と言われるだろうに、幸せそうな顔をして。 #SS #お題
    創作お題bot@LoveTitleBot
    それでもやはりあの男の元へ行くのか


    満開の桜の下がいい。横たわった身体を、あの雪みたいな花弁で覆い隠してくれるから。もう幾ばくもないと医者に告げられてから、君は事あるごとにそう嘯く。どうせなら綺麗に逝きたいと、暖かな日差しで微睡みながら、堕ちるように事切れるのは何て心地だろうと、眩しそうに目を細めながら。 #SS #お題
    創作お題bot@sousakuodai__
    春になったら一緒に死んでよ


    いつだって俺の無茶ぶりを笑って許して受け入れる。それはさながら、相手にされていないような、諦められているような歯痒い焦燥をもたらすんだ。他の女なら泣いただろう裏切りも、本当は縋って求めて欲しい故だった。一度くらいせめて一度くらい、いい子をやめて俺を困らせちゃくれまいか。 #SS #お題
    中島みゆき歌詞お題bot@miyuki_odai
    あんたのわがままが欲しい【勝手にしやがれ】


    もう行かなきゃ、とベッドを抜け出す仕草を見せると、あと五分、と背後から伸びて来た腕が抱き締める。あっと言う間に引き戻されて、諦めの溜息をついた。耳元で規則正しく聞こえる寝息を、私が振り払えないことを解っているのだ。行くなよ、と言われるよりも、抗議の言葉を塞ぐキスよりも、 #SS #お題
    独り言@お題bot@hitorigoto_odai
    この温もりが拘束具


    代わりでいいよ、と言う言葉を真に受けて、利用してめちゃくちゃに傷つけて、ボロボロにしてから捨ててやろうと思っていた。好きになる要素はなかったし、少しもあの人に似てなどいなくて、すぐに飽きるだろうとも思っていた。はずなのに、どうしてか、時折向けられる温もりが酷く心地いい。 #SS #お題
    (創作向けお題bot)@utislove
    忘れるための恋だったのに


    正しいか正しくないかを決めるのは俺じゃない。勿論お前でもない。それでも選ぶしかないんだ。その時最良だと思った答えを道を未来を。そう言って剣を手にするお前とて、たくさん間違い後悔し涙して来たんだろう。だから俺は安心してお前の隣に立てるのだ。お前の答えを信じられるのだ。 #SS #お題
    終息 手動お題bot@ssk_slp
    選んだ正義が、ぜんぶ間違いでもいい


    私を斬るのですか、とうっすら余裕の笑みを浮かべる君を見据え、ざ、と足裏で地面をなぞる。かつて愛した人であろうと、俺の邪魔をするならば、悪いが一切容赦はしない。手加減してわざと負けると怒る、その顔を思い出しながら、戦士として最大の礼儀を尽くそう。
    #愛・悪・君で文を作ると性癖がバレる


    なあ、生きて帰るんだろう、と傍らで手を握りながら、めそめそ泣くなよ鬱陶しい。どうせなら膝枕は可愛い女にして欲しいもんだ。行きつけの酒場には取置きがまだ半分以上あるし、病気で伏せた弟の治療費は俺が払ってる。美味いもの腹一杯食いたいし、お前と馬鹿やるのも嫌いじゃないからな。 #SS #お題
    お題bot(腐向け)@hannshudou
    欲が枯れてないからまだ生きれる、大丈夫、


    俺ぁね、正しいとか正しくないとかそんなことはどうでもいいんだよ。他人が自分が、生きようが死のうが関係ないのさ。出来るだけ長く、出来るだけ派手に、楽しんで愉しんで生きていたいだけだ。裏切り?不誠実?だから何だって言うんだ。変わらないものなんてこの世に一つもありゃしない。 #SS #お題
    伽藍お題bot@garanbot
    さあて、面白いと思った方に動くまで


    俺の代わりにこいつをお袋へ届けちゃくれねえか。
    #サ行の音を使わずに死を表現する


    朝、焼けるパンとコーヒー。目玉焼きの半熟が上手く作れない、とこぼす声も。昼、日向で眠りに落ちる時は、きみの柔らかな髪の毛に埋まりたい。夜、隣で頬張るアイスクリームのきん、と冷えた甘さ。いつだって24時間365日、きみで五感の全てを満たされていたい。深夜、そっと絡める指先の、 #SS #お題
    お題bot*@0daib0t
    幸せは全部きみのにおいがする


    さよなら、とまだ触れ合う口唇が声を立てず密やかに呟いたのを知って、僕は今しがた嚥下したものが何かを悟った。途端に燃え上がるような凍りつくような得たいの知れない衝動を覚え、咄嗟に君に縋りつく。ああ、どうしてなどと訊くだけ無駄だろう。最初から君はそのつもりだったはずだから。
    #SS #お題
    創作 お題*月の詠。@tsukiuta_odai
    君のキスが最期の合図


    くん、と鼻を鳴らしてから、彼は「へえ?」と面白がるように笑った。いつもどうしたって移って残って纏ってしまうその香水の匂いを、いつも傍に置きたいとか少しでも近づきたいとか、そんな浅ましい想いも嗅ぎ当てられたようで頬が熱を帯びる。「同じでもお前の匂いだ」なんて囁かないで。 #SS #お題
    シリアスお題bot@serious_odai
    おそろいの香水


    牙を立てる口唇の柔らかさも、抱き締めた身体の温もりも、この手で触れられるだなんて思ってもいやしなかった。時折こぼれる声の甘さに、愛おしさの歯止めが利かなくて。吐息のひとつ、鼓動のひとつ、逃したくなくて、誰にも触れさせたくなくて。いっそこのまま溶けて一つになればいいのに。 #SS #お題
    お題bot*空に見る@soranimiru
    君の吐息を食む


    テメーと組むんじゃなかった、と事あるごとに投げつけられる罵詈雑言。出来ればそっくりそのまま返してやるよ、くそったれ。お前のせいで何度面倒に巻き込まれたと思ってる?それなのに、ここで欲しいと思った追撃を、俺の呼吸を読んで繰り出される一撃を、寄越すのもまたいつもお前なのだ。 #SS #お題
    赤薔薇お題bot *固定ツイ一読お願いします@akabarabot
    最悪で最高のパートナー


    成功する確率など殆んどないぞ、と念押しするように男は言った。そんなことは最初から承知の上だ。それでもそんな奇跡のような確率に縋ってでも、成し遂げねばならないことがある。悪魔に祈って叶うならば、俺の命一つなど安いもんだ。例えそれで生き延びた君が、自由など要らぬと泣いても。 #SS #お題
    1番星にくちづけを(お題bot)@firststarxxx
    成功確率0.0001%


    どなたでしたっけ? と無垢な笑顔で小首を傾げる君は、確かに僕と出逢ったばかりの頃と同じ表情をしている。共に歩み、寄り添った時間も些細な思い出も、もう欠片も残ってないだろう。でも変わらず大好きなハンバーガーの食べ方が下手くそな君だから、今日ここからまた始められる気がする。 #SS #お題
    お題bot@烏合@bot_crowd
    もう一度好きになって


    背中を押して促す、なんて生易しい真似はしてやれず、半ば蹴飛ばし追い出すように駆り立てた。遠ざかる足音が泣いているようだった。だが、振り向くな。足を止めるな。ひたすら前だけ見て、お前のやるべきことに全力で魂を傾けろ。こんなとこで終わらせやしねえよ。時間稼ぎくらいしてやる。 #SS #お題
    夜の創作お題bot@odaiibot
    行け、そしてもう戻ってくるな


    貴方が何のために、無力な子供でしかなかった私を拾ってくださったかは、充分承知しております。命じられたなら、誰でも斬れるよう腕を磨いて参りました。告げられたなら、どんな汚れ仕事も果たせるよう覚悟して参りました。だからどうかいつものように冷酷に、私を使い捨てておくんなさい。 #SS #お題
    お題bot@odai_bot00
    捨て駒にだってなりましょう


    ふ、と吐き出されたのは一体どちらの呼吸であったのか、迫り来る殺意を乗せた刃の鋭さに、そんな些細はどうでもよくなった。意識して反撃を繰り出しているようでは、もう遅い。刹那の油断で首が落ちるか腸をぶちまけるか。そんなやり取りでしか言葉を交わせぬのだから、俺もお前も大概だ。 #SS #お題
    1番星にくちづけを(お題bot)@firststarxxx
    まばたき禁止


    よろしく頼むよ、なんてどの面下げて言いやがる。お前がそこに立つために何をしたか、間抜けでお人好しな俺は知らないとでも思っているのか。絶対絶対許さない。あいつを踏み台にして犠牲にして得ようとしたものを、お前なんかに渡して堪るものか。約束したんだ、今日は必ず勝つって。 #SS #お題
    創作お題bot@理想幻論@asama_sousaku
    差し出した右手を叩き落とした


    神様……はっ、そんなものが本当に存在すると信じてるなんて、全くおめでたい野郎だ。いいか、少なくとも俺たちが生きてるこの世界はな、あんな無能にゃ救えねえ。何ならこの弾逸らしてくださいってお願いしろよ。縋っても祈っても自力で何とかするしかねえのさ。他人を頼れば死ぬだけだ。 #SS #お題
    【お題】タイトルあげるbot@littlelittlebot
    無神論とピストル


    もうこの世界で飯を食うのは最後だと、互いの盃をぶつけて笑う。勝っても負けても、明日は違う世界が待っている。願わくば、全ての民が笑顔になれる結末を。そのためにこの魂を存在を、懸けてなげうつ覚悟はとっくの昔に出来ている。剣よ、同朋よ、明けない夜はないことを証明してやろう。 #SS #お題
    創作お題bot@sousakuodai__
    革命前夜、最後の晩餐


    成程、と言う返事は決して理解や納得から溢れたものではあるまい。例え膝の上の愛猫を撫でる手つきが変わりなかろうと、貴方が煮え滾るほど怒っているのは承知の上だ。その黒い影が黄金の眼を開き、馬鹿にしたような視線を投げて来る。噎せるほど濃い煙管の匂い。黙考の末投げられた言葉は、 #SS #お題
    scaldお題bot@_scald_
    煙管と黒猫
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