君以上に彼女を綺麗に撮れる人を僕は知らないからと彼女の夫になる人に頼まれて私は結婚式のカメラマンを引き受けた。純白のドレスに身を包みはにかむ彼女は本当に溜息が出そうな程綺麗で。友達の私では上げられない在り来たりだけど普通の幸せを噛み締めるその笑顔を焼きつけるようシャッターを押す。
    #写真の日


    真夜中いくら待っても噂に聞いた地獄行き列車はやって来ない。この世への未練は何もかもあの部屋に置いて来たのにそれだけじゃ行きがけの駄賃にすら足りないか。ねえ僕はここで生きてる意味がない。今すぐ乗せてくれないか。覚悟はとうに出来ている。
    しろくま@お題bot @srkm_title『どうやらあの世逝きの列車は普通には乗れないらしい』


    はむはむと啄むように頬に緩く牙を立てこぼれる涙へ舌を這わせる。どうして泣いているのかなんて馬鹿な僕は解らない。でもきっと笑った方が君は百倍可愛いよ。元気づける魔法の呪文は知らないからせめてこのキスが君の傷を全て奪い癒やしますように。
    お題bot* @0daib0t『君の寂しさも苦しさも、僕が全部食べてあげる』


    ああこんなどうでもいい場所でどうでもいい理由で僕は死んでしまうのか。まるで路傍の石のごとく君の敵に見向きもされず足止めにもならず一矢報いるなんて夢のような出来事のまま死んでしまうのか。歴史に名を残したいなんて言わない。けれどせめて、
    お題bot* @0daib0t『君のために死にたかった、君のために 死ねたらよかった』


    長い永い間眠りに就いていたおかげで気力体力魔力はいずれも満タン、しっかり者の部下がきっちり管理してくれていたから手駒も充実している。平和ボケして我が物顔でのさばる人間共は忘れているだろう。この世界は誰のものか。バサリとマントを翻す。
    白黒アイロニ(お題bot) @odai_bot01『さぁ世界を征服しにいこう!』


    貴方に呼ばれると逆らえない。近付き広げた腕の中に収まると強引な調子で引き寄せられる。きし、と啼くソファーの声が響いて咎められているようで。ああ、熱を帯びる肌に触れないで。鼻先でシャツを託し上げないで。本当の私の願いを知る貴方が嫌い。
    白黒アイロニ(お題bot) @odai_bot01『こっちにおいで。』


    枷も縄も鎖も要らない。お前をこの場に縛りつけておくための呪いはとても簡単でたった一つあれば充分だ。人質など取らずとも手足の腱など切らずともお前がここ以外に留まれなくなればいいのだ。外の世界は怖いからここにいるんだよ。お前を愛してる。
    しろくま@お題bot @srkm_title『お前を捕らえるたった一つの呪縛』


    もうすぐ雨だよ匂いがする。君がそう言った後はどんなに晴れていても必ず雨が降った。まるで魔法みたいにぴたり当てるくせに、いつ見ても君は泣いてたっけ。まるで止むことなど知らない雲に覆われているようでいつの間にかいなくなった君の上に今日くらいは太陽が昇っていればいい。 #twnovel


    お互い大概呆れるほどの悪党だった自覚はある。狭い世界だ、死ぬほど気に食わない奴と出逢うこともあるだろう。だからと言ってその因縁を肉体捨てた遥かあの世にまで持ち込まれるのは迷惑だ。阿呆面見せるな?冗談じゃねえ、閻魔の前にテメーを殺す。
    青色狂気(お題bot) @odai_mzekaki『「何故、お前と地獄に来てまで一緒に居ないといけないんだ…お前はどうして此処に居る?」』


    もう帰らないと選んだ道はお誂え向きにどこまでも真っ直ぐに延びていた。真夜中こんな時間では他に歩く影もない。このまま歩き続けたら知らない街どころか違う世界にだって行けそうだ。サヨナラ今までの僕。今ならどんな風にだって変われる気がした。
    白黒アイロニ(お題bot) @odai_bot01『どこまでも歩けそうな夜』


    触るな近寄るなあっちへ行け、残った力の限りに吠える貴方の傍らにしゃがむ。双眸に浮かぶのは嫌悪に隠された虚勢。本当は誰よりも臆病な貴方に手を伸ばして抱き締める。怖くないよ何もしない。こんなことでその傷が癒える訳ではないのだろうけれど。
    青色狂気(お題bot) @odai_mzekaki『唸る獣は牙を剥く (大丈夫だから)』


    その場に立つまではやはり死ぬかもしれない恐怖に捕らわれている。幾度修羅場を潜ろうとそれは本能だ、仕方がない。口に出さないだけで誰もが同じ腰抜けと馬鹿にされたくないから踏みとどまっている。刀を握り扉に手をかけた。いざ、命のやり取りへ。
    青色狂気(お題bot) @odai_mzekaki『覚悟を決めたら飛び込むだけ』


    もう一度言ってみろ、と地を這うような怒りに満ちた声が空気を震わせる。私は真っ直ぐに彼の凶暴な熱が浮いた眼差しを見つめて告げた。「何度だって言うさ。お前のやり方は間違っている」例え脅されようと殺されようと君を止める権利は私だけにある。
    青色狂気(お題bot) @odai_mzekaki『たくさんの目が 刃が 私に向いた』


    豪、とまるで風が哭いたような勢いで振り抜かれた刃が目の前の敵を斬り裂く。一瞬遅れて血の花が咲き瞬きした瞬間には翻って死角からの凶器を弾いた。まるで絵でも描くように華やかに舞を舞うかのように優雅に、この人は何て綺麗に命を奪うのだろう。
    青色狂気(お題bot) @odai_mzekaki『刹那、血飛沫が鮮やかに散り行けば。』


    それは決して越えてはならない一線。私がヒトであり続けるために平凡で普通であるためにその一歩は絶対に踏み出してはならなかった。なのに「怖い?」意地悪く笑う貴方の伸ばした手を私は取ってしまった。真っ逆様に堕ちるなら貴方と同じ地獄がいい。
    (創作向けお題bot) @utislove『あなたに手を引かれたら、私はきっとこのラインを越えてしまう』


    貴方の気持ちを疑う訳じゃないの。でも少しくらい示してくれないと私だって愛されてる自信をなくすわ。そう言う彼女に袖を引かれ口から心臓が飛び出しそうになりながら触れるだけのキスをする。柔らかすぎる感触に慌てて身体を放すと胸倉を捕まれた。
    (創作向けお題bot) @utislove『そんなんじゃ足りないよ、馬鹿』


    ごめんごめんねと泣きながら僕を犯す君の背中をそっと抱き締める。伝えることなく埋めてしまうつもりだった。交わすことなく捨ててしまうつもりだった。ねえ、もっと痛くして忘れられないように刻み込んでよ。狂おしいまでに膨れ上がった君の想いを。
    お題bot* @0daib0t『愛して、酷くして、オカしくシて』


    いつもおいとかテメーとか名字や屋号ですら呼ばないくせにこんな時だけ名前を呼ぶのは卑怯だろう。しかも耳元切羽詰まった掠れた声で。酔った勢い愛情なんか欠片だってあるはずない。それなのに身体が甘く疼くのはきっと暑さでイカレてるからなんだ。
    お題bot@壊れかけメリアータ @feel_odaibot『そういうときだけ名前を呼ぶのか』


    貴方が他の誰かを見ているのが許せなかった。他の誰かに笑いかけることが他の誰かに優しくすることが我慢ならなかった。それならいっそ誰の手も届かぬ所へ貴方を隠してしまえばいい。私以外と触れ合わない場所へ。ああけれど、「……ごめんな」その目も手足も奪ってしまった私になおも貴方は優しくて。
    #お題アンケ https://shindanmaker.com/601337 『4.後悔してももう遅い』


    よく晴れると君は決まって海が見たいとか花が見たいとか言って僕を連れ出す。放って置いて一人で出かけられると大変だから毎度供をするけど果たしてその硝子玉のように何も映さない君の目に世界はどう見えているのだろう。不思議でそう問えば君はふふと笑って水を掬った。「君と同じで悪くないね」と。
    #一次創作お題ったー https://shindanmaker.com/633100 『盲目な君の見る景色』


    またお前かよとうんざりしたようなしかめっ面にそれは俺の台詞だと返してやりたい。毎度狙ったようにとなりのベンチに座るのは社内で犬猿の仲の男。飯がマズくなるから移動したいけどそれは負けを認めたようでプライドが許さない。ふと見たコンビニ袋の中は似合わないスイーツだらけで思わず笑った。
    #一次創作お題ったー https://shindanmaker.com/633100 『となりのベンチ』


    あの時選択を間違えたのが明らかなのは今更誰に指摘されるまでもなく解りすぎるほど解っている。愚かな僕たちは秘密を守るために嘘を吐きその秘密を本当にするために罪を犯した。そして今、また岐路に立った僕たちは同じ選択を迫られている。だが今回も迷いはない。一つだろうが二つだろうが罪は罪だ。
    #一次創作お題ったー https://shindanmaker.com/633100 『同じ過ちを、再び』


    ぱきりと音を立てて匣の中の水晶玉が粉々に砕け散る。そこに映し出されていた光景は底のない闇に飲まれその内闇すら融けて消えた。それは選ばれなかった選択肢の世界。もしもと仮定されたままで終わったもう一つの答え。さようなら僕が見捨てた友よ。
    お題bot* @0daib0t『どこかで滅びるifの世界』


    頼むから泣きやめと愚図る子供に飴玉を差し出すもさらにわざとらしい声を上げられて思わず耳を塞いだ。強面のアイツの方が無愛想でよっぽど怖いだろうに何故か奴は子供や動物によく懐かれる。一体どんな魔法を使っているのやらまだまだ道のりは遠い。
    お題bot* @0daib0t『魔法使いにはまだなれない、』


    こんなの誰にも許す訳じゃないと言えばお前はどうだかと信じていない調子で笑った。火照る身体を殊更焦らすようにゆっくりと這う舌と指先。深くまで来て。知らない僕を引きずり出して。その柔らかな箇所に牙を立てて芽生えた想いごと食らい尽くして。
    お題bot* @0daib0t『さわってほしい、僕のなか 自分でも知らない、僕の奥』


    この辺りに倒れていれば田舎の真夜中の道でも誰かはね飛ばしてあの世へ送ってくれるだろうと他力本願に冷たいアスファルトに寝転ぶ。空気が澄んでいるから空は満天の星空。自分のちっぽけさが余計惨めになって隕石でも落ちてくればいいと思った。そもそもあとどのくら
    い地上に人間は残っているのか。
    #一次創作お題ったー https://shindanmaker.com/633100『横断歩道の真ん中で』


    血を流したような夕暮れを眼下に臨みながら彼は城壁の縁に立った。幼さの残る前髪が戦場の風に揺れる。自軍は劣勢、名ばかりの総督が矢面に身を晒してもどれほど士気向上の効果があるかは解らない。しかし彼は凛とした声で一言「己が矜持に殉ぜよ!」
    お題bot* @0daib0t『前髪、夕暮れ、凛として』


    どうせ答えはノーだなんて訊く前から知っている。それでも玉砕覚悟で告げようと思ったのはこの胸のざわめきを吐き出さないとやってられなかったからで、俺の言葉を聞いてほんの僅かでもお前に感染すればいいと思ったからだ。女の子相手にだって九十九戦九十九敗、記念すべき百人目にお前を選んでやる。
    #一次創作お題ったー https://shindanmaker.com/633100『破れかぶれ』


    愛してるだとか好きだとかそんな下らない飾りの言葉は要らない。俺が欲しいのは理性も分別も失くした素のままのお前なのだ。まだ楽勝だなと突き上げれば弱く首を振りながら啼く声にますます凶暴な気分になった。全部晒せよ、一つ残らず喰ってやらあ。
    お題bot* @0daib0t『愛を謳う余裕があるなら喘いでろ』


    あえかな声を殺す代わりに君が伝える愛は痛い。背中を引っかかれる度に口唇へ牙を立てられる度に血が滲む。けれど自分が僕の身体に刻んだ愛の証を愛おしそうに啄む姿まで含めて抱いているつもりで抱かれているのは僕の方だと嫌でも思い出させられる。
    お題bot* @0daib0t『爪を立てて、唇を噛んで』


    完璧な美しい微笑みが炎に飲まれ消えて行く。魔女の最期は昔から火あぶりと相場が決まっているのだ。これでようやく解放される。呆気ない結末が夢だとしてもどうか醒めないで。お伽話のエンドマークはこれで充分でしょう?その後のことなんて誰も、
    お題bot* @0daib0t『微笑み、火あぶり、醒めないで』


    間延びしたチャイムの音を聞くよりも早く階段を上る足音で来訪に気付く。渡した合い鍵でドアが開かれくたびれたスーツ姿のまま彼が入って来た。「お帰り」「ただいま」お婿さんごっこも大変だね?女じゃ逆立ちしたってお前を満足させられやしないさ。
    お題bot* @0daib0t『指輪を外して会いに来て、』


    この命ある限り貴方にお仕えします、とらしくもなく畏まった表情でかしずく貴方に思わずドレスを握り締める。知っている。解っている。私が玉座に就く以上、貴方が騎士長として跪くことは決まっていたこと。けれど取り繕った表情がこの上なく寂しい。
    お題bot* @0daib0t『貴方に誓って欲しいのは、忠誠ではなく愛なのに、』


    誰にも言うなよ、そう固く約束して飛んで帰った。押入の奥からリュックを引っ張り出し、有りっ丈のお菓子や食料、ペットボトルと隠し持っている秘密道具コレクションを突っ込む。玄関に置きっ放しの懐中電灯を確認して引っ掴むと家を出た。目指すは町外れの廃屋洋館、俺たちの合い言葉はいつだって、
    #一次創作お題ったー https://shindanmaker.com/633100 『いつものあの場所で』


    過ちを犯すならこんな雨降りの夜がいい。帰れない理由が飲める理由が作れる。互いに一人の相手を捜すことが出来る。感情なんて必要ない。ただこの虚しさを切なさを苦しさを束の間慰めてくれればいい。他人の体温が恋しくなることが私にもあるのだ。
    お題bot* @0daib0t『酔ってるふりして 私は貴方に、気付かないふりして 僕は君に、』


    少女たちは満月になるとするり古い己を脱ぎ捨てて新しく大人へと近付いて行く。まるで蛹が蝶になるように透き通った肌が少しずつ色づいて花開きまるで何事もなかったかのように彼女たちはいつも通りの顔をする。さざめく笑い声の真実は誰も知らない。
    お題bot* @0daib0t『少女、透ける、脱皮』


    今日の君は昨日のことを覚えていない。その前の日もそのまた前の日のことも。僕と過ごした日々も出逢いも自分のことすらも。だから僕は毎日自己紹介から始める。大好きだと何度でも伝える。今日のことを明日の君は忘れるだろう。それで構いやしない。
    お題bot* @0daib0t『君が全部忘れてしまっても、僕が全部教えてあげる、』


    やあ、今日も綺麗だね。聞こえはしない睦言を僕は彼女に投げかける。屋根裏に飼う僕だけの蝶々。美しい翅をピンで縫い止めて目も耳も声も自由を奪って。白い肌を指先でなぞる度サディスティックな気分になる。僕の痕を刻みたい。さあ何して遊ぼうか?
    お題bot* @0daib0t『屋根裏、蝶々、サディスティック』


    お前じゃないと駄目なんだなんて最低な口説き文句に何度絆されて騙されてやるんだろう。信じているフリをしてやるんだろう。君が同じ口で同じ手で違う誰かを愛しているのを知ってるくせに。きっとそれも本当ではないと解っているからどこか安心して。
    お題bot* @0daib0t『好きだよ って 君がわらう、うそつき って 僕は言えない』


    いつの間にこんなに弱くなったんだろう。独りなんて平気だった。寂しくなかった。それが当たり前の世界だった。それなのにある日突然現れた君は無遠慮に僕の中に入って来て気付いた時には居座っていた。おかげで今部屋の静寂が耳に刺さって仕方ない。
    お題bot* @0daib0t『君がいなくても生きられた、あの頃の僕を返してよ 、』


    嫌われたくないし幻滅したくない。だから深い関係は求めてない。でもどうしようもない衝動を分け合うなら無茶苦茶に溺れるならお前がいいね、と酒の席酔った勢いで告げられて虚しさが込み上げる。お前はそうやっていつも俺の心を乱してばかりで。
    (創作向けお題bot) @utislove『お前の顔が好きだから、恋人になりたいというより遊ばれたい』


    独りでなんて逝かせません。死出の旅路もお供します。そう言いながら刀を構え迫る軍勢を真っ直ぐに見やる元部下に苦い溜息混じりの紫煙を吐く。戻れなんて命令も無駄なんだろう。規律違反は日常茶飯、頑固で融通が利かない石頭は一体誰に似たのやら。
    青色狂気(お題bot) @odai_mzekaki『何故追ってきた、などと訊けるはずもなく』


    熱帯夜と言うほど暑くはないけれどじわり汗ばむくらいに不快な夜で。絡みつく闇の気配に身体が重い。少しでもマシな気分になりたいと冷たい君の肌に触れると何だか無茶苦茶にしたい気分になる。寄せた唇を這わせれば容易く蕩ける手軽さが苛立つのに。
    しろくま@お題bot @srkm_title『生ぬるい闇と寄せた唇』


    悪態吐いて罵倒してそれでも足りずに殴り合い。近すぎて似すぎて同族嫌悪でお前が嫌いだったはずなのに。あの一瞬見せた柔らかな笑顔に心臓を射抜かれてお前への気持ちを自覚した刹那からそれまでみたいな応酬が出来やしない。静まれ心臓、うるせえ。
    お題bot* @0daib0t『君の名前を呼ぶだけなのに、こんなにも声が震えるようになったのは、いつからだろう』


    一事が万事、という言葉があるように何事も用心しすぎて悪いと言うことはない。彼が捨て置けと言った童を斬り捨て踵を返す。臆病者だとも卑怯だとも私を嗤う輩がいるだろう。だからどうした、私は彼が覇王となる道を妨げるものは一片の塵芥も許さぬ。
    お題bot @odai_bot00
    『万に一つの可能性を潰せ』

    6月28日
    燃え盛る灯火を見ているとその中に飛び込みたくなる。乙女の命は儚く短い。ロリヰタが似合う内に死にたい。そうしたらきっと身体は灰になっても魂は綺麗なまま何度でも生まれ変われる気がする。火焔から生まれし不死蝶は誰にも囚われることもなく。
    お題bot* @0daib0t『不死蝶、灯火、ロリヰタ』


    カランコロンと響く下駄の音。視線を上げれば夜目にも鮮やかな番傘が僕を見下ろす。「これは何とも無惨な最期でござんすな」軽薄な声が狐面の下からこぼれる。それを照らす青い炎を纏った彼は幽鬼かはたまた妖かしかーーまあどちらでも構いやしない。
    青色狂気(お題bot) @odai_mzekaki『冥々たる闇夜に揺らめく狐火と番傘』


    そいつを引いて終わらせちまえと頭の中で誰かが叫ぶ。こんな壊れかけの銃で一体何が撃ち抜けると言うのか。けれどそんな俺の意識とは反対に腕はゆるゆると持ち上がる。黒光りするその先にいるのは鏡に映したように同じ姿勢の友で迷う俺を嗤うように、
    お題bot* @0daib0t『錆びついたトリガーは夢の中で』


    ちゃんと起きて顔を洗って、と朝から飛んで来る小言を脳内スルーさせながらくるくる動く背中を眺めている内にご飯が用意され綺麗にアイロンがかかった服が用意される。一人じゃ何にも出来ないんだからと笑う貴方のせいで俺は貴方と共に死ぬしかない。
    お題bot* @0daib0t『僕が死んだ後 きみはどうやって生きていくの、と 試すみたいに微笑う貴方へ』


    長かった髪を切った。ドレスを脱いで剣を手にした。頼れる人はただ一人隣に立ついつ裏切るとも知れない悪党だけ。ぐいと滲む血を拭う。負けるもんか泣いたりなんかするもんか。あたしはこの地獄から這い上がって大事なものを奪ったあいつを必ず殺す。
    青色狂気(お題bot) @odai_mzekaki『もう二度と後ろを振り返らぬように』
    スポンサードリンク


    この広告は一定期間更新がない場合に表示されます。
    コンテンツの更新が行われると非表示に戻ります。
    また、プレミアムユーザーになると常に非表示になります。