なぁに、お前じゃ仕留められんなどと言うつもりはねえよ。さすが師匠の秘蔵っ子、その怪我でこれだけ暴れりゃ大したもんさ。だが、無茶と無謀は等しかねえ。引際は見極められるようになれ、少しは先輩にカッコつけさせろ。それにアレとはちょいと因縁があってな……誰にも譲りたくねえのさ。 #SS #お題
    狸塚(お題bot)@mamizuka914
    退いていろ、俺が出る


    貴方はいつも早足なのよ、長さが違うんだからもっとゆっくり歩いてちょうだい、と腕を取られるのが嫌でなかった。急いているつもりはなかったが、少しでも君と一緒にいたくて、合わせるのがいつからか当たり前になっていた。誰かに自分を変えられるなんて、以前の俺なら考えもしなかったよ。 #SS #お題
    お題のようなちがうような(お題bot)@odaimdkbot
    君と同じ速度で歩いてく


    どうか私の代わりにこれが貴方を守ってくれますように、とくれた貴方の瞳と同じ色のピアスは、もう随分色褪せてしまった。あれから何年経ったのか、未だ戻れない私を許してほしい。あの時渡したリングは今もまだ、貴方の薬指を彩ってくれているだろうか。叶うならすぐにでも戻りたいのに。 #SS #お題
    微睡みがちなお題Bot@_sleep_bot_
    · 6月3日
    貴方色のピアス
    私色のリング


    大丈夫大丈夫。ここではよくある話だ。事故だろうと故意だろうと、まあそんなこともどうでもいい部分だ。大切なことは幸運なことは、君が僕以外の他の誰にも、この惨憺たる現状を見られていないことさ。それが何よりも重要で、これからの君の命運を決める鍵だ。心配するな。真実は全て埋めて #SS #お題
    アメジストはほくそ笑む(お題bot)@xxxxamethyst
    なかったことにしてしまおうか


    あれから何年経っただろう。いくつ季節が過ぎただろう。君がありがとう、と呼吸を止めてしまってから、来る日も来る日も君の好きだった花を墓前に運び続けている。ある日はお菓子を、歌を、本を、君の欠片を確かめるように。僕の寿命は長過ぎて、まだまだそちらには行けそうにないから。 #お題 #SS
    使いにくいお題bot@halcyon_title
    君を忘れる日が怖い


    丘の上に白い塔がある。一体いつからあるものか、何のためにあるものか、誰も知らない。何しろ入口らしきものがどこにもないから、どうやって中に入るかも解らない。ただ、遥か頭上にぽっかりと小さな小窓らしき穴が開いているものの、結局覗けやしないから、まるで意味を成してはいないのだ。 #SS


    貴方が約束を守る人だと言うのは、よく解ってるわ。だから私も馬鹿みたいに待ち続けたの。お前の誕生日には必ず戻ると言って私を抱き締めた貴方のことを、ずっと。だから怒らないわ、例え一欠片の骨になっても、帰ってくれた貴方を愛してる。けれど覚えてる? その日はもう過ぎたの。貴方、 #SS #お題
    中島みゆき歌詞お題bot@miyuki_odai
    ねえ 一年半遅刻よ【バス通り】


    俺ちゃんは優しいから、十秒だけ待ってやろう。テメーがその薄汚い手であの子に施した所業を、一つ残らず洗いざらい吐きやがれ。それとも何か? その臭いお口が軽くなるよう、左手小指から順番に吹っ飛ばしてやった方がいいかよ。素直になれば痛くはしない。イキたくなったら啼いてくれ。 #SS #お題
    殺戮の天使お題bot@satuten_bot
    お前の罪を述べよ


    よくもそんなもの吸えるな、と人の好みにまでケチをつけに来るなんて、この男はどれだけ暇なのだろう。苛立ち紛れに紫煙を吐き出す傍らで、彼はぐしゃりと自前の箱を握り潰した。空か、ざまあみろ。ふん、と鼻を鳴らした瞬間、咥えていたのを取り上げられる。「不味い」って言うなら返せよ。 #SS #お題
    小さなお題bot@textss_bot
    取り上げた煙草を咥えて


    帰れない理由が出来た、なんて鈍色の空を見上げて君が笑うものだから、つん、と鼻の奥を擽る濃い土の匂いを遮るように窓を閉める。水滴が窓を叩く音が交わす吐息をかき消して、ああいっそこのまま二度と呼吸出来ない深くまで沈んでしまえたらいいのに。
    #文字書きさん雨を使わずに雨を表現してください


    なかったことにしてしまえば、楽だと言うことは解っていた。もう二度と戻らない失くしたものとの想い出を数えても、虚しく傷を増やすだけだ。代わりなど幾らでもいると誘いを受けても、何故かいつも無意識にその面影を重ねている。ああ、認めよう。生涯僕が惚れたのは後にも先にも君だけだ。 #SS #お題
    創作お題bot@create_001
    結局僕は、忘れられないらしい【040】


    今日、君が死んだ。
    よく晴れた日の午後だった。
    #絶望という言葉を使わずに絶望を表現


    「早く忘れろ」と言った貴方の声が想い出せない。
    #死という言葉を使わずに死を表現してみろ


    「これが今日の夕焼け、こっちは今朝の日の出、これは一昨日の雨空」とんとんと目の前に置かれた小さな硝子の小瓶には、きらきらと微かな光を溢す液体が詰められている。透かすように持ち上げて微かに揺すると、とぷんと言う鳴き声と共にそれらが掌の中で踊る。「一つ幾らだぃ?」そう問えば、男は片手をぱっと開いて掲げてみせた。私は黙って、彼の親指と小指を折ったが、負けじと小指は再度立てられた。まあいいか、と溜息をついて「全部貰うよ」「毎度あり」がめついのがたまに傷だが、彼の持って来る品は確かだ。「そんなもの嗅がせるよりも外に出してやんなせぇ、百倍いいですぜ」
    「そうだろうとも」言われずとも解っている。ただの私の我儘だ。商人はぺこりと頭を下げて踵を返した。空が恋しい、空が恋しい、そう涙を溢す大事なものに、空は壊れてしまったのだと嘘をつき続けて何年になるだろう。下らない檻だ。日に日にそれが弱って行くのを目の当たりにしながらも私は、


    これが正しいとは、微塵も思いやせん。もっと他にいい方法は幾らでもありやしょう。しかし残念ながら愚かで不器用なあっしには、こうして手を汚して血に塗れ、ほんの少しでもあんさんの露払いをするより術がないのです。ようやった、などと褒めて貰おうなんざ思いません。地獄行きも上等や。 #SS #お題
    お題bot(和風ほんのり狂気風味)@jpn_odaibot
    罪を背負いて悪を断つ #お題


    いつかこの日を懐かしく想い出すんだろうか、なんてバケツに水を注ぎながら考える。つん、と鼻をつく火薬の匂いが色とりどりの華やかな景色を見た後は余計に寂しい。
    しおれたカラフルな残骸は、まるでキレイな思い出もいつかは褪せてしまうと言いたげな顔で。
    #花火を使わずに花火を文学的に表現する
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