待ってろ、俺が仇を討ってやる。夢現の中でそう私に告げた貴方は大きな犬の姿から二足歩行の人型へと姿を変えた。目を覚ました私の枕元に置かれていたのは全てを奪った裏切り者の首。恐怖に歪んだその顔と引き換えに貴方の姿がない。ねえ仇討ちなんてそんなもの、貴方がいればそれだけでよかったのに。
    創作お題bot@sousakuODAI「血塗れの置き土産 #創作 #お題」


    おとぎ話ならば眠りに就いたお姫様は王子のキスで目を覚ますはずだった。そんな馬鹿げた妄想に賭けて色とりどりの花に埋もれた冷たい口唇にそっと噛みつく。けれど君は起きるどころか睫毛一ミリすら動かさないまま。知ってるよ。解ってるよ。でもせめて言えずにいた想いくらいは伝えておけば良かった。
    創作お題bot@sousakuODAI
    「眠り姫、君の王子は誰なのだろう(少なくとも僕では無かった) #創作 #お題」


    感情任せの勢いで思い切り頬を張り飛ばして大嫌いと叫ぶと、奇遇だな俺もだと睨みつけられた。仕事でなけりゃ顔も見たくないなんて吐き捨てられて、思わず目の奥が熱くなる。泣くな。絶対に涙なんか流すな、私。助けに来てくれて一瞬でも安堵したなんて、そんな弱味を見せたくない。本当に、大嫌い。
    伽藍お題bot@garanbot「大嫌い?そりゃどうも」


    残念ながらまだ死に損なって生きてるよ。いつもと違う煙草をふかしながら墓前に備えた花束と好きだった酒を見遣る。あんたはそっちで相変わらずか?答えなんか返って来ない。あんたはいつもそうだった。年甲斐もなく掴み合って百年早いわクソガキが、と怒鳴られる。多分俺には見えないだけで今もまた、
    伽藍お題bot@garanbot「僕の愛しきくそじじい」


    待ってた、と笑みを浮かべたのが余程想定外だったのか、私の間合いのほんの少し手前でそれはぴたりと歩みを止めた。自分に向いた切っ先を静かに見つめながら、復讐かと得物の鯉口を切る。夜闇の中でのみ露になる異形の風貌。けれど化物と罵る口を私は持たない。「いえ、憎き友を葬ってくれたその礼に」
    創作お題bot@sousakuODAI「恐怖よりもまず、笑みが零れた #創作 #お題」


    頼むよ、お前しかいないんだ。なんて安い一生のお願いを連発するこの馬鹿に、何度苦い想いをさせられたら、俺はふざけんな失せろと言えるんだろう。潤んだあざとい上目遣いがわざとだと解っていても、こちらの恩など翌日にはけろりと忘れる薄情で身勝手な振る舞いも、つけ込まれるのが悪い惚れた弱み。
    伽藍お題bo@garanbot「何度目の一生だ」


    やれやれ、こうもあっさり騙されてくれると張り合いがないね。イメージは大事とは言え、見てくれだけしか見ていない愚かな人間たちの実に多いこと。おかげでこっちは仕事がやり易い訳だけど。悪魔は騙して欺き偽りごまかして欲しいものを手に入れる。舌先三寸口八丁手八丁、さて次は何をいただこうか?
    創作お題bot@sousakuODAI「純白の翼と金色の輪を抱いて、天使は悪魔の巣に帰る #創作 #お題」


    助からない。それは彼の土手っ腹を抉った大きな傷を目にせずとも明らかだった。度重なる戦いで疲弊しダメージを蓄積した身体は本当ならとうの昔に動かなくなっていたはずだ。それを押して最後の最期まで私を庇って何て馬鹿な人。虚ろな眼差しがこちらの手を見やって介錯を促す。敵の手にかかるよりは、
    伽藍お題bot@garanbot「辛いから早くしろって言ってるんだ」


    鈍色の曇天から降り注ぐ世界の嘆きの歌を聴け。今日もどこかで誰かの流した涙が集い、終わらぬ悲劇を告げている。止まず絶えることなく空を覆い絶望と引き換えのほんの少しの希望を。優しい虹の匂いがする方へいざ、濡れて参ろう君と二人。 #雨という文字を使わずに雨が降るを文学的に表現してみろ


    代わりなど幾らでもいる量産型、掃いて捨てられ利用されて踏みにじられ、盾として土台として消費されて何ぼのこの俺に、お前は初めて価値をくれた。あの日差し伸べられた小さな手の温もりを守るためなら、何度でもこの命を差し出そう。死ぬ理由くらい、何のための最期かくらい自分で決めていいだろう?
    伽藍お題bot@garanbot「この命に価値など無い」


    守るものを自らの無力さと無知で失い、何にも変え難い屈辱と絶望を味わいなお、折れた魂と矜持を引き摺って生きねばならない彼らが憐れでなりませんな。尽くした者に裏切られるならいっそ、一つの肉片も残さずにこの世から消してやれば良いものを。 #死という文字を使わずに死を文学的に表現してみる


    お子様が、とパフェを頬張る端から舌打ちが飛んで来る。いやいや人生に糖分は必要不可欠。ブラックコーヒーみたいな苦いものじゃ幸せな気分に浸れやしない。羨ましいか、とせせら笑えば全然別に、と連れない態度。こんなにも正反対な二人で、一緒にいる時間を甘く感じるのも多分僕だけなんだろうけど。
    伽藍お題bot@garanbot「甘い物が好きな僕と苦い物が好きな君」


    知っている。本当はお前が、今すぐにだって僕にナイフを突き立てたいくらい恨んで憎んで嫌悪していることを。どうしてその手を首にかけないの?どうしてその手で階下に突き落とさないの?八つ裂きにして何度殺しても足りないくらいの僕に今日もお前は綺麗に跪き、「イエス、マイロード」と嘯き笑う。
    創作お題bot@sousakuODAI「狂気に縁取られた、凄絶で凄艶な笑み #創作 #お題」


    疾った後には血風が舞う。風はやがて雨となって地上に降り注ぎ、大地を朱に染める。後に残るはうず高く積み上げた死屍累々の骸のみ。賞賛など貰えるはずもない汚れ仕事だ。厭まれ憎まれ恐れ忌み嫌われて畜生以下だと後ろ指を差されてなお、あの人の隣にいるためにこの狂気こそが必要ならばいくらでも。
    創作お題bot@sousakuODAI「血で描く狂気 #創作 #お題」


    これが最期になるやもしれぬ、と互いに酒を注いだ盃を手にする。悪くない、と笑うお前に俺も笑みを浮かべた。同じ主に仕官した当初はやることなすこと全てが気に食わぬ相手だと思ったのに、彼の亡き今過ぎた日々を分かち合えるのがお前だけになろうとは。その背があるから恥じぬ道を往けるのだ、友よ。


    体内を蹂躙した刃を引き抜くと、立っているだけの力を失くした華奢な身体はどっと倒れて俺の腕に収まった。彼女越しに深々と胸を貫かれた男は信じ難いと言わんばかりの驚愕の表情を浮かべた。血に濡れた彼女の柔らかな口唇は勝ち誇った笑みを刻んでいるだろうから。ああ、お前の想いを無駄にはしない。
    しろくま@お題bot@srkm_title「血飛沫に愛を感じる」


    これでもかと宝石がついた重たそうな王冠を持て余し気味に被り代々受け継がれて来た剣を手に精一杯背筋を伸ばして前を向く立ち姿。その両肩から垂れたマントは彼が背負わされた責務そのもののような。齢八つの最後の皇帝。この絵の完成三日後に反乱軍から首をはねられる運命を彼は知らずに笑っている。
    創作お題bot@sousakuODAI「描かれた皇帝 #創作 #お題」


    それは見つけてしまって良かったものか。後ろ首に刻まれた独占欲丸出しの噛み痕にぎょっとした表情を浮かべてしまった僕が気まずかったのか、彼は掌で隠すように擦りながらまだ痛えのよあの馬鹿と小さく笑った。それは見たこともないくらい酷く柔らかで嬉しそうで、呪いじみた愛に窒息しそうだった。
    伽藍お題bot@garanbot「キスマークじゃなくて歯型の痕」


    誰に対しても柔らかな笑みを穏やかな態度を崩さない君が、僕にだけ凍えたような眼差しをする。憎悪の炎猛るその目に見据えられる度、竦み上がる心臓が歓喜のあまりその音を止めてしまいそうで。
    #心臓・君・僕・で文を作ると好みがばれる
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