どんなに固く結ばれていたって元のリボンが何本だって、解き方は必ずどこかに存在する。短気は損気、焦らず時間をかけてじっくりよく見て時には遠回りして。こんがらがって縮こまった端から少しずつ少しずつ。取りつく島もなかった君が今では僕だけに微かな笑顔を見せてくれるようになったのと同じに。
    『一人遊び。』お題bot@hitoriasobi_bot「固結びのリボンの解き方。」


    取って置きを用意したの、貴方に似合いの赤い華。溢れんばかりの憎悪と焦がれるような衝動と。欲しいのは悪かったなんて謝罪じゃないわ、ええ今さら取り返しなんてつかない。だからせめて仇役らしく笑って逝って頂戴。引き金に指をかけてありったけの想いを放る。鋼の弾花言葉は『来来来世も許さない』
    妄想世界@手動お題@moso_propro「両手に鋼の花束を」


    黒板の文字を追うのに飽きて逸らした視線の先、誰もいないグラウンドに佇む猫と目が合った気がした。来るかい?と問う声が聞こえたのは空耳か、日常と非日常を隔てる窓枠一枚、見えないこの檻を飛び出してそちら側へ行けば、この退屈なだけのつまらない日常も愉快になるのかーーなんて度胸もないけど。
    伽藍お題bot@garanbot「グラウンドの真ん中に猫」


    余計なものは何も持たないつもりだった。背負うのは辛い。失くすのはもっと辛い。重いのも縛られるのもごめんだと逃げて投げ出して独りが平気なふりしてた。けれど君の小さな手を振り払えなかったのは僕の弱さと寂しさ。なあ、もう一度ここから始めてみようか。二人出逢った奇跡のようなこの街で。
    伽藍お題bot@garanbot「荷物は君だけでいいや」


    このクソ寒い中馬鹿じゃね、と君は嫌そうな顔をして、それでも僕の後ろに乗った。寂しげな今にも消えそうな背中が放っとけなくて、強引に掴んだその手を振りほどこうと思えば出来たはずなのに。しっかり掴まって下さいとアクセルを回してギアを踏み込む。冷たい風を切り裂いて今なら着いたら朝焼けだ。
    白黒アイロニ(お題bot)@odai_bot01「君と一緒に海へ行きたいと思ったのは、午前三時のことだった。」


    生きるってえのは、そんなきれいなもんじゃねえんだよ。所詮人間だって獣だ。矜持で飯が食えるなら誰もこんなとこまで堕ちてねえ。でも生きてえなら生きて再びあいつに逢いてえなら下らねえもんは捨てろ。お前にゃまだ死なれちゃ困るんだ。泥に塗れて地べた這いずってカッコ悪くてダサくても、死ぬな。
    和風創作お題bot@wafuu_bot「粋や雅など、知ったことか。」


    それを最初に食べる君は一番美味しい瞬間を知っていて、最後に食べる僕は唯一の楽しみ方を知っている。食べ方一つ味付け一つ、温度も順番もバラバラで、重なるところは何一つなくて、けれど隣り合って向かい合って君と食べるものが一番特別で美味しい。例えそれが冷えた塩だけの握り飯一つ半分こでも。
    『一人遊び。』お題bot@hitoriasobi_bot「好きなものの食べ方。」


    誰かの代わりだったのは最初から解っていた。それでも慟哭すら出来ない貴方の痛みを悲しみを、少しでも柔げられたら良かったの。何て自己満足、薄汚い愛情。貴方の傷に触れることを許されたなら、その瘡蓋を剥いで新たに流れた血で私を上書きしてくれればいいのに。雨が貴方を弱くするのと同じように。
    『一人遊び。』お題bot@hitoriasobi_bot「「忘れてくれ」と言ったあなたを、今でも鮮明に思い出すの。」


    この花の一番美しい瞬間はいつかと問われて答えに詰まった。満開の今ではないのか、と思ったがそれならわざわざ問うまい。ならばその前の綻ぶ寸前蕾の時だと答えれば、主は笑って花弁を握り潰した。「残念、正解は散る時だ。儚い命は美しいまま終わらせるべきだ」それが俺に下された命令の真意ならば、
    小説用お題BOT@odai_nobel「花は散るから美しい」 #小説お題BOT」


    どこまで知ってるの?追い詰められた壁際、初めて見る君の凍りついた眼差しに思わず呼吸が止まる。無口で大人しくて誰とも関わらず影が薄くて、でもクラスの金魚に唯一餌やりをする優しい君が。袖口に隠しているのはナイフ?答えて、と鼓動すら止めるように囁くその声にいっそ縫い止められてしまえたら
    お題bot*@0daib0t「息を殺した教室」


    自己ベストだったんだよ、と俺は小さく乾いた笑いを浮かべてみせた。どんなにきつい練習にもしんどい罵倒にも文句一つ溢さず耐え続けた3年間、それでも万年補欠の2軍止まり。所詮お前に才能なんてないんだと不要宣告されたようで。好きなだけじゃ駄目なんだ。焦がれることをやめたら楽になれるのに。
    お題bot*@0daib0t「2軍、不要、自己ベスト」


    金持ちだろうが貧乏人だろうが老人だろうが子供だろうが男だろうが女だろうが死は誰もに平等さ。だから俺も相手が誰だろうと等しくこの引き金を引く。相棒の短くも優しい命の讃歌、聞いておくれよ。ハレルヤ、くそったれな神様によろしく。間違っても生まれ変わって来るなよ、こんなろくでもない世界。
    伽藍お題bot@garanbot「死神の鎮魂歌」


    #君・僕・死で文を作ると好みがわかる
    君のためならいつだって何でだって死ねる。例え戯れに毒を煽れと言われても、責任取って腹を斬れと言われても。そう僕が一人刀片手に出て行こうとするのを、じゃあ五十年後に家族に看取られて大往生しろ、なんて言う男だから命を懸けてもいいと思うんじゃないか。


    #別れ終わり最後最期バイバイさよならを使わずに別れを表現する
    思ったより安らかな顔をしていた。まるで楽しい夢でも見ているかのように満足気な。それが見えなくなるまで掘った以上の土を被せて、半ばでへし折れた愛刀を墓標代わりに突き立てる。友よ、お前が守り抜いたものを決して無駄にはしない。
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