どちらが先に死んだとしても行き先はいずれも地獄だろう。そう盃を傾けながら笑う彼にならば待ち合わせ場所はどこにしますかと問えばしばし視線をさまよわせた挙げ句、そうさなあ彼岸花の下がいいと返る答え。想うは貴方一人、また逢う日を楽しみに。『彼岸花の下で逢いましょう』 #創作 #お題


    どうせなら可愛い声を上げて啼いてくれよ、と肌を這う卑猥な指先に意地でも吐息一つ漏らすものかと口唇を噛み締める。きっと悲鳴を上げたら二度と戻れない道に転がり堕ちてしまうから。冗談じゃない。放たれそうな本能をシーツを握り締めて抑え込む。『悲鳴を呑み込むのは、世間体という枷に絡まっているからだ』 #創作 #お題


    どうして迎えに来たりしたんですか。僕のことなんて放っておけばいいのに。傷だらけになった主を見てそう問えばくわえ煙草に火をつけた彼は鼻を鳴らして紫煙を吐き出した。「何で自分のものをあの爺にくれてやらにゃならねえ。帰んぞ」くしゃりと頭を撫でる手に流れるはずのない涙が双眸からこぼれた。
    『「誰にもやらねぇって言っただろ。大人しく俺の所にいろ」の台詞を使って書く』


    は、と温度の上がった悩ましげな吐息がこぼれる。安いキスの一つや二つでとろりと蜜の溢れる初な躯は壊してしまうには少々勿体ない気もした。指先で肌を辿れば偽りの名が呼ばれる。感じる顔も魅力的だが、悪いね仔猫ちゃん。恨みはないが死んでくれ。『甘く蕩ける躯の上で』 #創作 #お題


    ただひたすらに自分の進む道は正しいと剣を振るった人生だった。多くの敵を討ち戦って信じたものを貫いた。それがどうだ、時代が変われば価値観も変わる。今じゃ俺が悪逆の徒、奸賊謀反人だ。だが、後悔はしていない。主も守れぬ無能にはお似合いだ。『俯くな振り向くな、其処には贖罪すらも無い』 #創作 #お題


    僕には大勢の仲間がいますからきっと大丈夫、この戦は負けません。そう言う手は震えていて、ああやはりお前はただの少年なのだと思い知った。帝王だの何だの呼ばれても一億五千万人の命を預かるのは重すぎる。誰がその孤独を解ってくれると言うのか。『一人ではないとおまえは云った、一人より余程独りの場所で』 #創作 #お題


    これで終わりにしよう、と自分から口に出すのは酷く勇気のいることでけれど狡い貴方は僕が切り出すのを待っていると知っているからもう解放してあげる。激しく僕を抱きながら他の誰かを想う貴方の心は素通りだから虚しいだけの交わりはもう要らない。『あんなに抱き合って、本当は指先すら触れていなかった』 #創作 #お題


    「手を挙げろ!じゃないと撃つぞ」背後からそう脅されるのは一体何度目になるだろう。大人しく従うフリをして気を抜いたところやんちゃな手から凶器を奪う。「馬鹿たれ、これは誰かを傷つけるためのものじゃねえ」例え玩具でも向ける相手は違えるな。『水鉄砲からの死刑宣告』 #創作 #お題


    もう無理です潔く自刃をと脇差しを抜く馬鹿共を蹴っ飛ばして刀を握る。諦めてんじゃねえよ死に逃げるな。そんな柔な部隊に作ったつもりはねえ。大将を取られても周りを囲まれても最期まで掲げた理想の旗は折るな。どうせならそれを誇って死んでいけ。『終わり亡き矜持』 #創作 #お題


    多分最初は恋愛そのものに憧れていた。だから相手は別に誰だってよくってたまたま君が告白して来たからOKした。それがどうだろう、愛されることを知った今では愛することを知った今では君以外に考えられない。ねえもっと触れてキスして抱き締めて。『請いし恋して君を乞い』 #創作 #お題


    見てごらん。これは絶望の内に死んだ人間の魂が入っている。きらきらしていてきれいだろう?より深い絶望が一等きれいな光を放つ。私の宝物さ。何、何故そんなものを見せるのかだって?決まってるじゃないか。お前の探している恋人もこの中だからさ。『絶望の宝箱』 #創作 #お題


    正直に答えろよと言う眼差しは沸点を超えたせいで凍えていた。裏切ったのはテメーかと言う問いに迂闊に頷いたらそのまま切っ先に貫かれそうだ。例え同志だろうと心底までは信じていない声が是非を問う。お前の主はどちらなど古参相手に野暮なこった。『「もし事実なら、切り刻んで海に沈めてやる」』 #創作 #お題


    一緒に行こうと何度誘ってみてもその刀は頑として首を横に振ろうとはしなかった。主の元へ帰りたいと願いながら、戦うことには疲れ果てたのだと傷だらけのぼろぼろな姿で破顔する彼は「ここで朽ちていくのも悪くないよ」誰とも争わないこの海の底で。『いつまでもいつまでもいつまでも、君は其処に沈み続ける』 #創作 #お題


    口に含めばそのままとろりと蕩ろけてしまうヴァニラのような甘い肌を食むとこちらを酔わせる啼き声が上がる。お前はきっと知らないだろう?それに俺がどれほど溺れているか、ともすれば義務も責任も全て放り出してこの泡沫の夢に沈んでいたいことを。『ヴァニラ』 #創作 #お題


    皿いっぱいの苺から一つを摘まみ上げる白い指先。そのまま頬張るのかと思いきや口元に差し出される。所謂「あーんして」を強請る恋人に照れ臭さを我慢して口を開けた。が、小さな苺は掌で瑞々しい汁を迸らせて握り潰される。こぼれる赤い滴はまるで血のようで、俺の煽り方をよく心得ているじゃないか。
    『苺の日』


    もしあの時お前と出逢わなければ、お前に手を伸ばさなければ俺は今でも順風満帆な人生を歩んでいたのだろうか?一体何を間違えて溝を這いずるような生き方を選ぶ羽目になったのだろう?血に汚れた手で握る銃をお前に向けて引き金を引けば或いはまだ。『崩落人生、転落拠点』 #創作 #お題


    貴方が興味があるものは全部知りたい。貴方が好きなものは全部好きになりたい。いつも後を追いかけるように貴方の借りた本を借りる。先に手に取る貴方は私の名前も存在も知りはしない。でもそれでいいの。ずっとそれでいいの。貴方の下が私の指定席。『図書カードだけが知っている』 #創作 #お題


    何度この場所を訪れただろう。貴方の大好きだった名前も知らない花たちを両腕に抱えて甘い物を下げて、空っぽのーー遺体などない墓地を訪れる。本当は未だに背後からそれ誰のだと蹴飛ばされることを期待して。最期の重みも失われる熱も知らないまま。 『この腕は貴方を悼むためだけに在る』 #創作 #お題


    わざと空けられた最奥の席はまるで誰かが来るように汗をかいたグラスが置かれている。灰皿にはただ朽ちてゆくだけの煙草。隣で眠る君は酷く幸せそうに緩んだ顔をしていて、例え来ないにしてもその残り香だけで君を酔わす男を殺したいくらい嫉妬する。『会わざる酩酊』 #創作 #お題


    腹の底に響く轟音を立て馬を駆る軍勢が迫る。咆哮、銃声、空気を裂き迫る矢。迎え討つはただ二人俺とお前のみできっと向こうは気の触れた自殺志願者か何かだとでも思うだろう。ぞくぞくする。こいつを刀二振りで護り通したらさぞかし痛快じゃねえか。 『恐怖よりもまず、笑みが零れた』 #創作 #お題


    何であんな男の傍にいるのなんて愚問だ。けれどそれを教える義理はないし僕は黙ってジャガイモの皮を剥き続ける。無愛想だとか目つき悪いとか散々罵倒してたけど、いいよ別に。あの優しさを知る価値はお前にないからお鍋に放り込んで一緒に煮ちゃう。『俺が幸せである事を、君が知る必要は無い』 #創作 #お題


    予定調和の箱庭で呼吸してそれで生きているつもりになるなんて何て馬鹿げて下らない。きれいな物だけを並べて眺めているので満足?冗談じゃないと禁を犯して全てを壊し僕は楽園を追放された。いい子のままでいるのが好みなら他を当たってくれないか。『君は神を望まず、神も君を望まなかった』 #創作 #お題


    どんなに言葉を駆使してもこの世界が弱肉強食であることは否めない。覆せない理を嘆くくらいなら喰らう側へ回るよしかない。幸い俺はこの惨劇で弱い自分と決別した。さあ、奴の頭に鉛玉をぶち込みに行こうじゃないか。今度はテメーが俺にひれ伏せ。『屠られた自分への弔いを』 #創作 #お題


    まるでゆっくりと全身を巡る毒のようだ、と口付けに甘んじながら指先で袖口に仕込んだナイフを辿る。糸を引く舌が這いずる度に細胞も思考も蕩け出して行くような。一体何人がこれに誑かされた?終わりにしようじゃないか、刃の十字はお前にゃ毒だろ? 『毒薬に接吻(キス)、ナイフに十字』 #創作 #お題


    君の柔らかなその頬に触れて口唇にキスして抱き締めたい。何度も手を伸ばしかけて指先が触れそうなところで思いとどまった。僕が触れたら君はたちどころにその笑顔を失ってしまう。死と血と穢れで汚れた翼と手で君を壊してしまう訳には行かないから。『触れたくて抱き締めたくてそれなのに』 #創作 #お題


    蜂蜜色の光が注ぐ日溜まりで、君は静かに寝息を立てていた。その傍らでは読みかけたままの本のページが風で時折めくれて行く。まるで夢の中で君が物語の続きを促すように。楽しい夢をよい夢を。白紙に文字が綴られて行く。浮かべた笑みはあの頃のままで、君はいつになったら戻って来るのやら。 #文絵


    泣いて鳴いて啼いて哭いて声が嗄れるくらいまで上らされて追い詰められた。許してと乞うても責められて弄ばれるのが快感になるくらい求められて。ねえ貴方の手で蕩かして燃やして。濡れちゃうくらいに感じるほど。果てて散るなら貴方の腕の中がいい。『もう喉が張り裂けそう』 #創作 #お題

    ふざけてるのかしらこんな値段、ゼロが一つ足りないわ。小切手を引き裂く指が次に向かう先は私の首かナイフの柄か。これが全てだと泣きを入れれば紅い口唇が三日月を描いた。足りない分はそうね、一つ頼み事で許してあげる。あの子の命が欲しいわ。 #絵文


    もうここには何もない。死体を啄んでいた烏たちですら飽きてしまったように振り向きもせず飛び去ってしまった。全てを奪った炎ですら煙となって天へ還ってしまった。泣いている暇はない。涙を拭って立ち上がる。私の手はまだ動く。私の足はまだ動く。#絵文


    「全くお前に背中を預けなきゃならない日が来ようとは」「その言葉そっくり返すぜ。足引っ張んなよ」「そっちこそ」腕の印に奴らを屠れと命じればのたうつような痛みと共に眠る魔神が目を覚ます。月下煌々交わす視線は一度きり。休戦協定と地を蹴る。 #絵文


    汚い現実は見なくていいよ。辛いことは聞かなくていいよ。君が傷つかないように僕がずっと守ってあげる。だから泣かないで。何も怖くない。痛いことなんてない。さあ、ゆっくりおやすみ。そうして僕を後ろから抱き締めるもう一人の僕に全てを委ねる。 #絵文


    落ちて来た真白の花弁は柔らかくまだ朝露を孕んで瑞々しかった。あの日僅か指先で触れた貴方の頬のようにそっと慈しんでいたい。その反面あの男に渡したことを今でも悔やむ心が花弁に爪を立てさせる。傷つけられない貴方の代わりに壊せたらいいのに。 『ひとひらに刻んだ爪の痕』 #創作 #お題


    お主の刀を頂戴しに参った。立ち塞がった輩が一体何者かなんて知る由もない。そして唯一の持ち物である愛刀を渡してやる義理もない。風が吹いて辺りに咲き乱れる花の欠片をさらって行く。ならば尋常に勝負と行こうか。立会人は怖いくらい美しい月で。 #絵文


    白い病室のベッドに腰掛けて彼は今日も外を眺めている。木漏れ日の緑を風にそよぐ花の赤をそこに止まった蝶の羽の黄を彼は知らない。あの日かけがえのない人を失くした彼は世界から音を匂いを色を消した。それが贖罪だとでも言うように時を止めた。前の道を過ぎる影など見えるはずもないのに。 #文絵


    澄んだ水面の底は見えない。波一つ流れ一つない時間の止まった湖には少女の乗ったボートが一つ浮いているきりだった。お前などお呼びでないと拒絶するまだ冷たい水に向けて爪先を伸ばす。その奥に隠れた温もりを探すようにあの人の心に触れるに似て。『爪先を濡らす』 #創作 #お題


    ごめんなさい。ごめんなさい。僕は嫌がる君を組み敷いて何度も穢しました。触れたくて堪らないのにこの手を払われるのが怖くて泣いているのを押さえつけ懇願の言葉を塞いで欲望の限りに染めました。けれどどうか嫌いにならないで。僕は君を愛してる。『犯罪よりも咎よりも、怖いのは君に拒否されること』 #創作 #お題


    ねえ僕が君に恋したなんて言ったら君は笑うだろうか。いつまでもその寝顔を見つめていたいと願ったら下らないと言うだろうか。血なんてくれなくていい。処女もキスもくれなくていい。ただ君の健やかな夢を守りたい。僕には朝日が昇れば終わる夢でも。『愛して欲しくて灰になる』 #創作 #お題


    出逢わなければ良かったと僕の手を離した君の涙が地面を穿つ。終わりを決めたのは君で終わりを告げたのは僕だけどきっと僕らは始めから釦を掛け違えていたんだろう。どこからなんて辿ることも出来ずに知らずにいたなら傷つけずにすんだ横顔を眺める。『知る事が、触れる事が、想う事がこんなにも苦しいなら、恋なんてしたくなかったよ』 #創作 #お題


    これは一体どう言うことかしらと恋人を間に挟んで見知らぬ女と睨み合う。成程二股なんていい度胸してるじゃない。この際だからこの場でどっちが本命か選びなさい。そう啖呵を切ろうとした瞬間「すみません、遅れました」現れた男の子まで相手なんて… 『三人目の愛人』 #創作 #お題


    呼んでもないのに押しかけて来る奴なんて大概ろくでもない。せっかくソファーを新調したのにと溜息混じりにくわえ煙草でマシンガンを構える。駆け寄る足音。ドアが開き先頭の男を目にした瞬間ぶっ放す。「お客様のお帰りだ、棺に入れて着払いでな」 『本日の客、明日の葬式』 #創作 #お題


    むかしあるところにひとごろしが大好きな領主さまがいました。いろんな理由をつけては家来の首をはねていたので領主さまはとうとうひとりぼっちになりました。「家来がいないなら民をころせばいいじゃない」お城を出た領主さまは今も見つかりません。『ひとごろしにうえた領主さま』 #創作 #お題


    今日姉が結婚する。式までもう間もないのに下の弟が見つからない。探し回ってようやく姉の元で真剣な顔をして這い蹲っているのを発見した。「首飾り、あと少しで出来るから」ポケットから青い金平糖を出して並べながらサムシングブルーのつもりかよ。『金平糖の首飾り』 #創作 #お題


    君を愛してる。朝日を浴びて身を焦がしながらあの人は確かにそう言った。夜の世界にしか闇の中にしか生きられぬ血腥い化物は君には似合わないけれどと笑う口唇と交わしたキスは何の効果もなかった。取り残されて私は独り、貴方だった灰へ顔を埋める。 『遺灰』 #創作 #お題


    あの子はいつも私の真似ばかりしていた。服も靴も鞄も小物も習い事も進学先も部活も果てはお弁当の中身まで鏡に映したように同じ。始めは嬉しくて可愛かったそれも次第に鼻につき始めた頃「これ私の彼氏よ」差し出された携帯では私の彼が笑っていた。『殺意が芽生えたのは、まさにその瞬間だった』 #創作 #お題


    どうせ勝てやしない。涙を拭いながら道場の隅で丸くなる背中に思わず舌打ちがこぼれる。同じ壁に向かうなら相手を目の前に据えて影稽古でもやりゃいいんだ。うじうじしてて勝てるなら誰も苦労して強くなろうとなんてしない。竹刀を投げる。「立てよ」『その背中に苛々した』 #創作 #お題


    無遠慮に口付けようとする相手をぶん殴る。全く油断も隙もない。代金を掴んで舌打ちと部屋を後にした。「お疲れ様です」途端に背後からコートが被せられる。身体は売ってもキスだけはお前のだから。皺一つないネクタイを引いて今夜のご褒美を強請る。『口付けの意味を知っている』 #創作 #お題


    大好きと他人には絶対向けない緩んだ顔を見る度カッコいいと手放しで褒められる度無条件でどこまでも甘やかしたくなる。全幅の信頼と愛情を寄せられるのはくすぐったくて心地いい。けれど人混みでわざとはぐれ俺を探して歪む目が好きだとは言えない。 『惚れられた弱み』 #創作 #お題


    じゃんけんで負けた方がネコになるのだと言い出したのはどちらだったか売り言葉に買い言葉で勝負は始まり俺の敗北に終わった。どや顔してのしかかって来るお前に触れられるのが嫌な訳じゃないが「に、にゃあ…」今夜はこの鳴き声だけで勘弁してくれ。『ねこになる』 #創作 #お題


    世に美酒の数はあれどこの酒を嗜む人間はおるまい。清い水芳醇な原料適度な精製法どれが欠けても質が落ちるが最後に忘れてはならぬのは器と環境よ。何?これは先程我を討とうと押し入った人間の髑髏だ。血と脳髄が溶けた酒は月にも雪にも花にも合う。『からからと鳴り響いた髑髏の器』 #創作 #お題


    「やれやれ、こんなものですか?始祖吸血鬼が聞いて呆れる。この程度で我々をどうにかしようとは笑わせないでいただきたい」銀の弾丸を込めたマシンガンを担ぐ男の胸元で十字架が揺れる。返り血塗れの姿の中でその信仰だけが不可侵の聖域のような。『血みどろ神父』 #創作 #お題


    大丈夫ですか、と伸ばされた手を払いのける。息を飲んだ相手に思わず急いで踵を返した。これは彼が僕へ刻んでくれた愛情の証なのだから。この身体を傷つける時だけはいつも無関心な彼が視線を注いでくれる。その甘い痛みを理解してくれとは思わない。
    ☆創作お題bot☆『この傷は私のモノ。誰にも癒されてなるものか。』


    これは俺とお前の勝負なのだ。どちらが先に根を上げて「お前が好きだ」とこぼしてしまうか。お互いの気持ちは解ってる。でも敗北を認める台詞を自分から吐ける素直な年齢は、とうの昔に過ぎてしまった。さあ、言えよ。イエスと言う準備は出来ている。
    ☆創作お題bot☆ 『先に言ってよ。冗談じゃないわ。』


    恨むなら恨んでいいと差し出されたのは三行半。明日戦地へ向かう貴方には生きて戻るつもりがない。敵将の妻なんて肩書きは枷になるだけだと私を自由にしてくれる貴方の優しさが痛かった。謹んでお受けしますと受け取って武運を祈るが私の最期の役目。
    お題bot* @0daib0t『死ぬ間際そばにいたいとは言わないけれど、最期に想い出すのはどうか私で』


    さよならと告げられるまで君がその笑顔の下で悩んだり傷ついたりしていたことを僕は知らなかった。寂しいとか傍にいてなんて泣かれて困った記憶がない。本当は今だって引き止めて欲しいって思ってるのかもしれないけど僕らは最後まで素直になれない。
    お題bot* @0daib0t『君は泣かないから 強い人だと思っていたけど、 僕が泣かせてあげられなかっただけかもしれないって 今は思うよ 、』


    お前さえいなければ俺は完璧なままでいられたのだと足下にうずくまる貴方の頭を撫でる。そう、あの日酔った弾みで間違いを犯さなきゃ貴方は今も幸せな家庭を維持していただろう。でも、もう遅いよ。ゆっくり羽をもいだ後はどこから食べてあげようか。注いだ毒は身体を縛り愛する貴方を捉えて放さない。
    『「 I love you」の意訳はお前さえいなければ俺は完璧だった。』


    いつまでも時代にしがみついていては取り残されて腐って行くだけだと隊服を改めると同時に髪を切った。戦場ではそんなものに構っている暇などないし第一洋装には合わない。柵から身軽になった分この剣は遠くまで届くぜ。まだ続く道を見据えて、笑う。
    ☆創作お題bot☆ @BotOdai『髪を短くした理由』


    僕の役目は終わったと遠ざかる水面を見つめながら暗い水底に沈んで行く。刃こぼれし血と脂を拭う暇もなく斬れ味の落ちる一方な僕を主はそれでも最後まで放そうとはしなかった。貴方の切り開いた道をその先の未来を共に見れないことだけが心残りです。
    ☆創作お題bot☆ @BotOdai『泡と去りゆく』


    仕事が忙しいだの明日は出張だの見え透いた嘘は聞き飽きた。どうせならはっきり言ってよ、お前に興味がなくなったって。そのくせこちらが切り出せば未練がましくキスでごまかして。もういいよそう言うの。最後くらいは潔く笑ってさよならさせて頂戴。『言い訳御法度』 #創作 #お題


    別に愛してくれなんて言わない。罵り嘲り侮蔑して恨んで憎んで嫌い尽くしてくれていい。けれど君はこの部屋から出られないし、僕の許しがなければ自由に動くこともままならない。僕が欲しいのはちっぽけな愛なんかじゃない。君という存在そのものだ。
    Cock Ro:binお題配布bot @CockRobin_bot
    『愛が欲しいワケじゃない!』
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