誰かに飼われるのは誰かに頭を下げるのはゴメンだと夢を追った日もあった。けれど貴方に逢って働くとはどう言う意味なのかを教えられて以来スーツを着るのは俺の誇りになった。あの日プレゼントされたネクタイを締め俺は今日も目の前の仕事の先にいる誰かの笑顔のために街へ飛び出す。 #ネクタイの日


    いつもはナントカラテみたいな甘い奴じゃないとコーヒーなんて苦くて飲めない。でも今日は今日くらいは貴方の真似をしてみたい。差し出したワンコインと引き換えのブラック。一口啜ると広がる大人の味はやっぱり苦かった。いつになったら追いつけるのか、背伸びするのはそろそろ辛い。 #コーヒーの日


    どいつもこいつも身の程知らずと言う言葉を辞書で調べた方がいい。一体何を持ってして多人数で囲めばこの僕をどうにか出来ると判断したのか小一時間ほど正座で問い詰めたいところだ。だが生憎時間が取れずに遊んでやれない。鯉口を切り、腰を落とす。勝負は瞬きの刹那でいい。「死にたい奴からおいで」
    青色狂気(お題bot) @odai_mzekaki『「Come on, are you ready to die?」』


    風の便りで貴方がこの街に戻っていると聞いた。似た人物を見たと答えてくれる人もいた。けれどそれでも狭い区画で影すら踏めないのは、探してくれるなと言う貴方の願い故だろう。あの日々を忘れて私は私の道を往けと。背中を追うのはもうヤメだ。今日からはその隣を歩くため私は貴方を忘れず探さない。
    青色狂気(お題bot) @odai_mzekaki『生きているという噂だけでも十分』


    ついて来いと言ったのは傍にいろと言ったのは貴方の方でしょう?それを今更危険だから残れだなんて都合がいいにも程があります。私は貴方に言われたからではなく自分の意志でここまで来ました。貴方と共に歩むため生きるため。だから勝手に着いて行きます。私でなければ誰が貴方の背中を守るのですか。
    青色狂気(お題bot) @odai_mzekaki『置いていくなら一緒に果てまで』


    思わず掴んだ袖に彼は意外そうに目を丸くした。「何可愛いことしてんだよ」ニヤリと笑う意地悪な顔。完全に無意識だったから反射的にひっぱたく。でも何故だろう、この手を離す気にはならない。そっとキスが落ちた。「心配しなくてもちゃちゃっと片付けて戻って来る」嘘吐き。背中にそう言えたなら、
    青色狂気(お題bot) @odai_mzekaki『今離してしまうと もう二度と帰ってこない気がして』


    奇跡ってのは偶然起こる訳じゃねえ。どんなに低かろうと最後の最後までその可能性を捨てなかった奴が手に出来る最後のチャンスだ。不敵に笑って紫煙を吐き出した彼は、刀の柄を叩きながら僕を挑発する。「で、どうよ?お前は逃げるか?馬鹿になるか?」四面楚歌の絶体絶命、でも彼なら1%あればいい。
    青色狂気(お題bot) @odai_mzekaki『1%の可能性』


    前髪上げると随分雰囲気が違うねなんて暢気に笑う彼のどこをオリジナルが愛してたのか私には解らない。結婚する相手が本物かどうかも解らないなんていや私は余命幾許もない彼女に代わって本物にならねばならないのだけれど。身体だけでなく気持ちもいつだって複製だ。嬉しいよりも哀しさを抱いて立つ。
    お題bot* @0daib0t『コピー、結婚、前髪』


    制服着てることに価値があるんだよと笑う妹は誇らしげにリップを引く。化粧などでごまかさずともその瑞々しさを随所に散りばめた女らしさは重ねて醸し出される色気より自らの色に染めたい男の本能を刺激する。私の気持ちを知りながら横合いから彼を浚った雌犬は無様に路上に捨てられて死ねばいいのに。
    お題bot* @0daib0t『妹、制服、死ねばいい』


    悲しませたい訳ではないんだと君は言い訳がましく言葉を紡ぐ。いいよ、大丈夫。解ってる。君は人間の涙がなければ干からびて死んでしまう。だから少しくらい痛くとも辛くとも我慢出来るよ。ざりざりした舌が頬を伝う涙を掬い取る。初めて出来た友達だもの。その笑みはありがとうの意味だと信じてる。
    青色狂気(お題bot) @odai_mzekaki『涙を糧に生きる物体』


    がっかりしたわ、と空薬莢をばら撒いて足下に這い蹲った獣の背中を踏みつける。女子供だからと馬鹿にして甘く見ていたのかしら?残念だけどこう見えて私お婆ちゃん仕込みの銃の腕は確かなの。赤いフードをバサリと払い、新しい弾を再装填する。この辺りで暴れ回ってるお尋ね者の狼さん、覚悟なさって。
    青色狂気(お題bot) @odai_mzekaki『「あなた…図体と口ばかり大きくて、そんなに強くないんじゃない?」』


    もう大丈夫だと思ったんだがなあと自嘲気味に笑ってずきずきと疼く右目を押さえた。眼帯の下に刻まれた傷痕はあれから十年経った今も色褪せることなくそこに居座っている。まだ青かった頃の自分がどれだけ無力で愚かだったのか、大切な人と引き替えに得た今の中でその罪と罰を忘れることのないように。
    青色狂気(お題bot) @odai_mzekaki『古傷の痛みは ただ耐えるしかない』


    あれは誰かが齧ったのと空の月を見上げて問う君に美味しそうだものねと返しておく。きっと覚えていないだろう、君の母親はあそこにいるよ。きっと今日もこの世界が闇に堕ちてしまわぬようにと祈りを捧げているだろう。その影に見えぬ姿を探すのは僕の未練だ。願わくばどうか君も、 #tw月の友13


    迷わぬようにと吊したカボチャのランタンを君は見逃さなかったらしい。ハロウィンの仮装に紛れて今年も夜の国から還って来た君は用意したごちそうに目をくれなかった。お前の血一択だと舌なめずりをして落とされるキスはどのお菓子より甘い。魂ごと攫って欲しいとは言えないままで。 #twTorT