死ぬ時は一緒、なんて馬鹿なガキみたいなことを思ってた訳じゃない。私と貴方とでは有り得ないと、最初から解っているから。だからごめんなんて謝らないでちょうだい。他の誰にも神様にすらも、貴方の最期なんて渡しはしない。振り被る切っ先から私の顔に移る視線。互いの笑顔を覚えていられるように。
    お題のような違うような(お題bot)(@odaimdkbot)『同じ終わりを迎えられないのなら、せめて私に貴方を終わらせる権利をください』


    髪をかき上げた瞬間、ちらりと、けれどはっきりと、首筋に刻まれた赤い跡が鮮烈に目に焼きついた。多分お前は気づいてないんだろう。誰につけられたんだ、なんて訊くだけ無駄だ。お前はどれだけ交わっても誰のものにもなりはしない。それならと掻き消すように上から噛みつき、血が滲むほど牙を立てる。
    departure(お題bot)(@dpt*title*bot)『ぬり替えられた赤い跡 #お題』


    ドラマチックな何かがある訳じゃない。そうなればいいと思っている訳でもない。いつもと代わり映えのない通学路、いつもと同じ時間。天気は色褪せた薄曇り。大体すれ違う顔ぶれも似たり寄ったりで、劇的変化なんて起こり得る訳もない普通の日常。昨日と同じ平穏。それなのに今日から君だけが、いない。
    空色@お題bot(@sora\_odai)『会えないだけで、なにかたりない。』


    お風呂ありがとう、と部屋に入ろうとして思わず入口でフリーズする。いつもはかけてない眼鏡、似合い過ぎてて何かずるい。素知らぬ顔して通り過ぎようとして腕を取られた。「ちゃんと頭拭け。風邪引くぞ」タオル越しわしわしと動く大きな手。貴方と同じシャンプーの匂いに耳鳴りにも似た鼓動が谺する。
    創作お題「れもんのきもち」bot(@lemon*no*heart)『【三題噺用お題】いつもと違うシャンプーの香り、眼鏡、耳鳴り』


    「貴方の言葉は信じない」ぐっと引き結ばれるミツキの口唇を見て、駄目かと心中で溜息をつく。解ってはいたのだ。散々騙して利用して、嘘をついてごまかした報いと言うやつだ。今さら虫がよ過ぎだろう、もう足を洗うなんて宣言はただの独り善がりだ。「でも、ただの鴉葉ミツキは信じたいと思ってる」
    閃ミツで「君の言葉は信じない。」から始まる小説はどうですか?
    # shindanmaker
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    僕がいなきゃ困るでしょう? 君はちっとも明日の予定を把握してないし、皿洗いもろくに出来ないし、靴下いっつも片方失くすし、目を離したらご飯食べずに寝ちゃうし。どうすんのさとこぼすと「生きてけないね、お前がいないと。いつもありがとう」と確信犯の笑みで笑われた。でも本当はそう託けて君を
    (創作向けお題bot)(@utislove)『必要としていたのは僕の方』


    まあ、何と言うか気休めなんだよね。そう在り来たりな形の石を撫でながら、彼は笑った。銘が刻まれているでもない。それらしく飾られている訳でもない。知らなければ風景の一部として見過ごしてしまう程の。死者を悼むのは生者の我欲だからさ、ホントは何も残っちゃいないんだ。ぽつりとこぼれる、声。
    秋桜お題bot(@cosmosno)『そこに骨など埋まってないのに』


    人をヒトたらしめているものは何であろう? その枠組みから外れてしまう一線はどこにあるのであろう? 理解不能な才能、或いは倫理や理性と言った心持ち、もっと単純な姿形の在り方か。ひ、と喉を鳴らして私を化物と罵倒した男を斬り下げる。人でなしの己の所業を棚上げしておいてよく言ったものだ。
    お題bot(@odai\_bot00)『人と化物の相違点』


    「ほらよ」と差し出された小さな箱。
    わざとぶっきらぼうなのは照れてるからだ。
    いつまでも友達じゃ嫌だと勇気を出した先月。
    隣りにいることを許してくれた。
    デパートなんて普段行かないだろうに。
    選んでくれたネックレス、大事にするね。
    # WD6SS


    君もみんなも大好きだし大切だよ、と貴方はいつもと同じ笑顔で私をそう拒絶する。誰が一番とか誰より誰がなんて、そんなこと決められないよ、と。貴方はどこまでも平等で、きっとそうでなければ全部を守るなんて酔狂なことをやろうとはしないのだろうけれど、その瞳に映るのが私だけならいい、なんて。
    がらくた@お題bot(@grktodai)『誰よりも優しく誰よりも残酷な人』


    きっと誰も知らない。あいつが密かにこの街を守っていることを。派手な立ち回りはない。悲劇も事件もない。地味に目立たず、己の名誉を誇示することなく、静かにあいつは今日も誰かの涙を拭っている。名乗るほどの者ではないさ、と踵を返す背中が少し寂しそうに見えたのは、お前がヒトではないからか?
    藤野@お題bot(@fictonkj)『誰も知らないヒーロー』


    「退きなさい」怒りに任せて刀を抜いたものの、相手は怯んだりしなかった。腕に覚えがあるのだろう。或いは単純に体格差で勝てると踏んだのか、揶揄する笑みを浮かべて余裕の口笛を吹き鳴らす。「やめとけ、人を斬ったことないだろう?」真剣だって初めてだ。でもこのまま彼を死なせる訳には行かない。
    お題bot(@tokinagare)『構えた武器(手が震える)』


    笑顔の絶えない彼は人当たりも柔らかくて、いつも大勢に囲まれている。頼りにされるの嫌いじゃないしね、なんて言うから更に慕われるんだろう。でも私は本心が見えなくてちょっと苦手だ。穿った見方だよ、と言われたけれど気のせいじゃない。よく見ると笑ってない双眸が獲物を見据えているようで怖い。
    きみとわたしと(お題bot)(@kimito\_odai)『笑顔の中に垣間見える凍てついた瞳』


    預かってくれ、とそれが持ち込まれたのは三年前。この店を継いで間もなくだったように記憶している。何の変哲もない簡素な木箱だ。両手に乗るくらいの。軽く、飾りもない。強いて言うなら大仰な鍵が一つ。大した金は出せないと、紙幣ニ枚と交換した。その持ち主が今日再び来店した。変わり果てた姿で。
    ロゼッタ@お題bot(@*ODAIbot*)『そろそろ箱の中身を語ってくださらない?』


    遺されたのはなくなりかけの煙草一箱。サヨナラも後を頼むもないまま、貴方は俺の前から永遠に消えた。一緒に連れて行ってくれと縋った手は、莫迦言うなよと振払われて、死んでも放すべきではなかったなんて、今頃後悔をしている。一つ咥えて火をつけた。馴染みの匂いも紫煙も貴方の背中と同じに遠い。
    お題bot@GHQ!!(@GHQkitakubu)『貴方の真似をして煙草を吸った』


    取り残されてしまった気がするのはどうしてだろうね。空になったラムネの空瓶を持ったまま、君が見つめているのは祭囃子の絶えた境内か、波音だけが響く海岸か。楽しかった想い出がある訳でもないのに、夏と共に世界は終わろうとしている。みんなどこへ消えたのか。目の眩む青空と君と僕だけを残して。
    お題bot@烏合(@bot\_crowd)『晩夏の静寂』


    お前を平伏せられればそれでいい、と思っていた。金で買える愛も忠義もまやかしばかりだ。冷めたその瞳にほんの僅か激情の色を浮かべられたら俺の勝ちだ、と。なのにお前は相変わらず侮蔑の光を湛えて、馬鹿げていると言わんばかりに美しく下らない命令を実行する。これで満足か、と嗤われた気がした。
    scaldお題bot(@*scald*)『跪けよ、凄艶に』


    お前に触れると、触れられるとあったかいんだと初めて知った。ゆっくりと体温が混じって寒くて震えていた手が、心が融かされて行くみたいで。空っぽだった何かが満たされて行く。一つになりたいなんて馬鹿は言わないけど、お前が寒くて凍えそうな時、同じようにあっためてやれるのは俺であればいい。
    『一人遊び。』お題bot(@hitoriasobi\_bot)『温もりが熱に変わるまで。(あなたの特別になりたいんだ)』


    大事なものは持つな。遺るものは作るな。俺たちは使い捨ての消耗品。路地の片隅ゴミ塗れでくたばったところで、次の日には代わりが穴を埋める安い命だ。耳タコな台詞をかき消すように、煙草をくわえて火を点ける。んなこたぁ知ってるよ。価値があるとも思ってない。だからあのクソヤローを狙えるんだ。
    ヘキレキワアド(お題bot)(@hekireki\_word)『くわえ煙草と消耗品。』


    何でだろう、きっとどこにいたってどんなに遠くにいたって、貴方は私を見つけてくれる気がする。ピンポンパンポーン、迷子のミツキはここですよー。お心当たりの閃光さん、迎えに来てください、なんて。だから怖くない。大丈夫。いつだって「何やってんだこの馬鹿」って怒りながら差し伸べられる手が、
    (貴方は閃ミツで『迷子のお知らせ』をお題にして140文字SSを書いてください。
    #shindanmaker
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    世界を選べ、世界を選べ。顔を知りもしない連中は俺の背中を指差してそう断罪する。我々を守れ、平和を守れ。それがお前の責務であり存在価値であると。強大すぎる力を裁量に任せているのは守護者だからだと。けれど、大事な友一人を救えずして何が守護者だ。例え君がいつか世界を壊すと予言されても。
    飴玉お題bot(@odai\_amedamabot)『君を救えるならエゴでいい』


    落ち着くんだよ、お前の頭もふもふしてっから。犬とか猫とかウチ飼えないじゃん? 癒やされたいんだよ。あと腕置くのに高さがジャストフィット。なんて言葉がムカつく。そんなのカノジョ作ってやって貰えばいいでしょ。過剰に撫でくり回されるこっちの気持ちなんか、微塵も解ってないくせにこのバカ!
    イトシイヒトへ(お題bot)(@ZelP\_t)『ちょうどいいからって頭を撫でないでくれる?』


    窓から差し込む日差しがいつの間にか柔らかくなり、制服の背中をじわり暖める。昼飯あとの授業、別にわざと聞かないなんてつもりはないのに、次第に瞼が重くなる。遠退く意識、揺れる頭。「……コラ」ポコンッと丸めた教科書で小突かれたけど、さっきセンセーも欠伸を噛み殺してたのを僕は知ってるぞ。
    (#物書きさんの文章が見たい
    だいぶあたたかくなってきましたね。「桜」という文字を使わずに春の訪れを表現してくれませんか?お願いします!このツイートに引用RTかリプでください。)


    想い出なんて、しおらしいものに縋るような間柄でもないだろう? 今さらお前の成したことに俺の成したことに、変わりなんてありゃしない。等しく最悪で等しく罪深い。復讐、と呼べるほど殊勝なものであってはならない。ただ俺とお前、二人のクソッタレのスジを通して、きれいにケジメをつけるだけだ。
    1番星にくちづけを(お題bot)(@firststarxxx)『昔話に用はない』


    きっとこの世界のどこかで誰も死なない日、なんてものは存在しない。哀しくないとは言わないが、切なくないとは言わないが、例え劇的でなくとも僕だけは忘れないでいよう。お前がここで生きたこと、成したこと、守ったもの、その全て。何年経ってもどこにいても、僕が生きている内はお前も記憶の中に。
    創作お題bot@理想幻論(@asama\_sousaku)『傷だらけの僕ら』


    ツイてない、と突然降り出した空を見上げて閃光は溜息をついた。何の気配もなかったので当然傘など持っていない。雨は嫌いだ。ろくでもない記憶がじわり思考を蝕む前に、ロキに迎えを頼もうと携帯端末を懐から引っ張り出す。ついでに煙草をくわえると火をつける前に「雨宿りですか、オニーサン」の声。
    (貴方は閃ミツで『三時の雨宿り』をお題にして140文字SSを書いてください。
    #shindanmaker
    [https://t.co/BK0JRXmStE)](https://t.co/BK0JRXmStE))


    本来はヒトと神との領域を分けるものだよ、と先んじて歩く背中は振り向かずに言う。ここから先はヒトの理など通じはしない、それを肝に銘じておくことだね。その声すらいつの間にか視界を覆う霧に溶けて消えてしまいそうで、足元が心許なく感じた。ゆらゆら、提灯の火すら信じてよいのか指先が凍える。
    お題bot(和風ほんのり狂気風味)(@jpn\_odaibot)『鳥居の向こう側 #お題』


    傘なんて意味を成さないくらいの、冷たい雨に濡れたシャツが貼りついて、凍えそうだったんだ。煩い世界から隔離されたみたいに捉えた腕の中、待って、なんて微かな声の抵抗は聞こえなかったふりで、君の五感を全部塞ぐ。こんな時くらい流されてよ。伝わる吐息のぬくもりと君の匂いだけが、確かなもの。
    お題のような違うような(お題bot)(@odaimdkbot)『土砂降りの中でキス』


    すぐ泣く弱虫は嫌いよ、と事あるごとにべそをかく僕に君が言うから。今すぐ引き返そうとする足を奮い立たせて、前に進む。この先にある薬草がなきゃ君の病気は治らない。危ない崖だし、陽は沈んで真っ暗だけれど。早く元気になっていつもみたいに笑ってよ。君が隣にいないと、ご飯が美味しくないんだ。
    お題bot(@odai_bot00)『怖くない、君の為だ怖くない。』


    剪定、間引、言い方は何でもいい。より良いものを作ろうと思えば、それ以外の選択肢は全て捨てて然るべきだ。栄養も水も光も、それが一身に受けることが出来るように、邪魔なものは須らく排除する。そうして無数の屍、散った命すらも喰らって、あれはこの世界に君臨するのだ。糧になるのを誇りに思え。
    森の奥@創作お題(@morio_dai)『雑草も、余分な蕾も、全て摘み取ったら。あとに咲くのは残酷なほど美しい大輪の花。』


    一生会えなくなる訳じゃない。電話もメールもある、ネット越しにならいつだって会える。忙しい日々に流されても、例え地球の裏側くらい離れたとしても、私たちは変わらず親友だからね。そう笑い合える内にたくさん会っておけばよかった。絶対なんて言葉はないことを、貴方が死んで気付かされるなんて。
    #物書きさんの文章が見たい
    3月は別れの季節ですね。別れのシーンを1ツイートで書いてください!このツイートに引用RTかリプライでお願いします。


    ごめん、本当は腕いっぱいの薔薇の花束とか渡したいんだけど……と口籠りながら差し出されたのは、一本のマーガレット。なけなしのお小遣いできっと精一杯のそれを、真っ赤な頬と震える声で。綺麗な服も高価な宝石も要らないと言い続けているのは、いつかきっとより今貴方が向けてくれる想いのためよ。
    『一人遊び。』お題bot(@hitoriasobi_bot)『花束にするには足りなくて。』


    大丈夫とか任せてとか言えなきゃいけないんだと勘違いしていた。僕は勇者に選ばれたんだから負けちゃならない、逃げちゃならない、弱さを見せちゃいけないと、込み上げる涙も突き上げる恐怖も飲み込んで平気なフリをしていた。それじゃいつか壊れるぞ、と君が怒ってくれなきゃ気づかないままだったよ。
    (創作向けお題bot)(@utislove)『上手く笑えるようになることが、強さだと思ってた』